from 2016-03-20




海外の木工家達


海外と日本の工作環境の違いで色々気が付いたことがあります。とはいえ、当然その範囲が桁違いに違うので、単純に数が違うといっても仕方がありません。また海外の方が設備が整っている、材料も豊富だ等と言うことも言えません。ヨーロッパや北米などには、まるで工場のような広大な工作室に、専門工場で使うようなありとあらゆる工具や工作機械を多数そろえ、ありとあらゆる材料を駆使して様々な家具を作っている人も多いですが、そんな人ばかりとは限りません。

欧米ならそんな家具を好きなだけおけるほどの広い家を持っている人がいるのは事実ですが、一方途上国などでまともに電気も来ていないようなところで、人力のバンドソーやスクロールソーを作ったり、ほんとにあり合わせの材料で感心するようなものを作っている人も居ます。要するに、場所や道具、材料がどうであれ、自分の環境で最大限に楽しめればよいとつくづく思います。

ところで、海外のアマチュア、プロを問わず、この様な人達はブログやホームページを持っている人も居ますが、殆ど全員今はユーチューブに動画を配信しているようで、私もその動画を観てずいぶん参考にさせて貰ったものです。たとえば、 Matthias Wandel, John Hitz, Izzy Swan, DiResta などなど数え切れないほど多くの人が様々な物作りをしています。彼らは豊富な素材、機械、広い工房などを駆使していますが、私は彼らの動画でヒントを得て、自分に合わせた作り方をしています。ここに挙げた名前で検索してみると、参考になる動画がたくさんありますし、ほかにも大勢居ます。

中には自分で拳銃やライフルなどを造っている物騒な人も居て、これは法律の違いもあるし、絶対にまねできるものではありませんが、ただ、その技術などには参考になるものもあり、観てはならないとまでは私は言えません。

しかし、こだわりから一切電動工具も機械も使わず、全て人力だけでほれぼれするような作品を作っている人もいます。巨大な堅い材木を手挽鋸だけで製材し、鑿や鉋で加工して、芸術品のような家具を仕上げている人もいます。いわば、100年前の各職人と同じこだわりですね。

たとえば、Chop with Cris では、クリスさんが、本当に手道具、つまり斧、楔、鋸、鉋、鑿などだけで、原木から見事な椅子やテーブルを作っています。一作品に一年くらいかけているものもあります。私が感心したのは、廃材とフリーマーケットで買った古い弾み車やシャフトなどを組み合わせ、足踏み式の木工旋盤を作っている動画です。技術はともかく、大抵の日本人には体力的に不可能ではないかと思いました。

また、Tom Fidgenのサイトでは、フィジェン(こんな発音かどうかは不明)さんが、巨大な材木を手挽鋸で板にし、鉋で平らにし、鑿で刻み、膠で付けて、即ち全く人力だけで芸術のような家具の数々を作っています。材料も、何年も枯らした銘木です。

私にはそんな体力も技術もないのでそのようにするつもりはないけれど、あこがれはします。

材料に金をかければよいのではなく、たとえばペーパークラフトで実際に空気で動く8気筒エンジンやロータリーエンジンを作ったり、14ヶ月もかけて複雑な、マーブルマシン(ビー玉などが様々に動くだけの装置)で音楽を奏でたりなどなど、実益とは無関係に物作りを楽しんでいる人が大勢います。

むろん日本にも大勢いますが、絶対数の数から考えられるだけではなくそのようなサイトを立ち上げている人がどうも少ないように思います。たとえば、日本でバンドソーやスクロールソーを自作している人のサイトを見たことがありません。

技術も情熱も決して日本が劣るわけがないのに、どうしてそのようなサイトがないのか不思議です。

また、女性のこの様なサイトを開いている人が、日本では観たことがありませんが、海外には大勢います。テレビなどでは女性も無論DYIをやっているのに、サイトがないのは残念ですね。海外では、たとえばDarvin Orvar, April Wilkerson さんなどがいろいろ女性の感性を活かした、ものを作っています。ただ、日本では男性でも一寸扱いきれない巨大な電動工具を軽々と扱い、一人で持てそうもない材料を簡単に扱っているのを観ると、つくづく体格、力の彼我の差を痛感しますね。しかし、日本で女性のサイトが少ないのはこれだけが理由ではないとは思いますが。

海外の工作人達が扱う機械や材料の大きさも驚きますね。ドリルでも丸鋸でも、私には到底扱いきれない、というよりそんじょそこらのホームセンターなどでは売っていない大型の機械を軽々と操る体力や体格は、どうしても日本には少ないようです。

また、それらの工具や工作機械なども、だいぶ日本より安く、おおよそ半値で売っているのをEーベイ等で観ました。むろん、円ドルレートの関係もあるのですが。

材料の規格も海外はずいぶん大きく、ベニヤ板など日本では1800x900mmが標準でしょうが、米国などでは倍くらい有りそうで、それをまた軽々と扱う体格、体力は日本人では難しいとつくづく思ったし、そしてそれらの材料が日本に比べて実に安いようです。

結局絶対数が多いのは事実ですが、基本的にDYI精神が海外の方が旺盛なのかも知れない、と思っています。

日本もずいぶん変わってきて、昔は高嶺の花だった材料や道具、機械などがずいぶん出回ってきているし、ネットの発達で更に普及しているのは喜ばしいことです。

海外との交流が進めばと思いますが、一にも二にもやはり言語の壁は大きく、また日本語は、普通のPCの設定では表示もされませんしね。となると、一番それにふさわしいのはやはり画像、特に動画が有力な手段になると思います。

そんなわけで、私も動画による配信を目標としていますが、プロバイダのサーバの容量が小さいので、必然的にユーチューブに挙げて、それを貼り付ける手段になるでしょう。ただ、今私は普通のカメラで動画を撮るしかありませんが、それを編集するソフトがありませんでした。いろいろ探してみたのですが、ちょっと海外のサイトで手頃なものを見つけ、フリーソフトだったのでダウンロードしてみました。いま使い方を試行錯誤で学んでいるところです。うまくいったら早速活用します。









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