コーン紙あれこれ
ユニットに関しては、とくにコーン紙の材質については、色々いわれている。これまた不思議で外見がころころ変わる。昔はケント紙のような紙に、あやしげなニスのようなものを塗りたくってあった。
紙の正体だが、ケント紙と、あっさり断言する人もいれば、正体を見極めようと試み、画材屋でそれにちかい紙を見つけたそうだが、まったく同じ紙は、見つけられなかった人もいる。コーン紙に、ほとんどやけくそみたいに塗りたくってあるあやしげなものについても、ニカワなどの説があるが、人によってはっきりしない。
次に、最近のものだが、これは見た目も触った感じもまるでプラスチックのような感じで、音も今風である。エッジもスポンジからウレタンに変わったた。一般にはこの新型の評判は悪いが、佐久間アンプで鳴らすかぎりは、こっちの方がよい場合もある。これにも不思議なことがある。私がこの新型をアコースタの箱に入れて聞いていて、3ケ月ほどたって帰除をしようとネットを外したところ。プラスチックのようなコーン紙が薄い紙に変わり、堅そうだったエッジもすけすけのスポンジのようになっていた。輸送時の振動にたえるために特殊な薬品を塗ってあるのでは、というのがDH編集部のとても信頼できる意見である(もちろんここだけの話である)。
ごく最近のもの(私の買ったPM4の場合)は、買ったばかりのコーン紙は緑色で、はじめて見た時はずいぶんと驚いた。紙も昔のような厚手のもの(といっても他社のスピーカーに比べれば薄いが)に変わった。これも使っているうちに緑色がクリーム色に変わってきた。あやしげなものは塗っていない。私はユニットを個人で直輸入したのだが、ここ4年くらいの間に会社名と住所がころころ変わっている。その度に、コーン紙もかわるようである。先に勝手に切れてしまうと書いたが、これは、おそらくコーン紙が湿気で歪み、ボイスコイルとマグネットが触れてしまうからだろう。なぜかローサーのポイスコイルはコーン紙の内と外の両面についている。そのため余計に事故がおこりやすいようだ。
湿気の他には、ほこり、石炭などを燃したガスにも弱い。オーディオベクターのスピーカーユニットは真上、TP1は真下に向いて取付けられているが、これは単に音のためだけではなく、コーン紙が歪まないようにとの配慮もあるのではなかろうか?
切れないように注意することと言えば、定期的に掃除をすることである。分解掃除をする人もいるが、私のような不器用者は、気の向いたときに、撮除機をつかってはこりを吸い込んでいる。コーン紙を吸い付けないよう、吸い口とスタビライザー(ユニットの真ん中につきでている角みたいなの)とのあいだに指を入れ適当に風量を調節しながら吸い込んでいる。不幸にして切れてしまったら、岡山の「川口オーディオ」に頼むのがベストだろう。