1999年春に、聴力(難聴)、ことばの障害(遅れ、発音がおかしい等)、発達(心身ともに)、情緒(環境等も含め)、聴覚障害による聴覚保障、訓練(聞こえとことば、発達の遅れの)、人工内耳、中耳炎等中耳疾患の総合的な相談が出来るシステムを持っている所が少ないように感じ、きこえとことばの発達について気軽に相談できるホームページの開設を決心し、1999年春から準備をはじめ秋になってようやくサイト運用にこぎつけました。

○当時の兵庫県明石市の状況
「きこえとことば」は切り離せない問題で、ここに発達の問題がからみ複雑な背景をもった、ことばの遅れている子どもたちがいます。しかし、発達、聴覚、言語の専門家の連携が今ひとつうまくいっていないため、どこに行けば相談できるのかもわからない状況でした。難聴児は聾学校の教育相談があり比較的利用しやすかったのですが、ことばや中等度難聴児、発達の遅れがことばに影響している子どもたちの行き先がほとんどありませんでした。

当時、保健センターで3歳児健診がスタートしていましたが、耳垢、鼻炎、滲出性中耳炎などの疾患を発見することも重要ですが、健診の主旨である「ことばの発達の遅れ」につながる中等度難聴を見つけ出すことが最重要課題であるという事が周知徹底されていませんでした。また、せっかく健診で早期発見されてもごく軽度な障害のために、その子たちを受け入れる場所がなかなかありませんでした。

保健センターは集団での年齢別の教室を持っていましたが、多くの子ども達一人ひとりにいきわたらせることは難しいことでした。集団にとけ込めない、個別で大人とのやり取りが精一杯の子どもたちには手がまわらない状況でした。

そのような中で親御さんたちは、
ことばが遅れているのではないか、聞こえがおかしいのではないかと感じた場合、行き場がなく様子を見ようと言われる時代が続きました。軽度~中等度難聴、発達の問題の躓きで誤解されて育った子もいます。お母さんは何かおかしいと思いながらも、障害という偏見の目が気になり(または現実を受け入れることを拒否し)、積極的な行動を控えさせたのではないかと思います。

私の医院で「きこえ」「ことば」「発達」の相談と「個別訓練」の実施というトータルの場を作ることに決めました。ことばの訓練のための専門スタッフ・検査場所・検査器具などをそろえ、とりあえず情熱だけでスタートしました。

このような状況下でスタートした「きこえ」と「ことば」の発達相談室は、思いがけず開設当初から相談がありました。ホームページにも相談が寄せられ、答えていくのが大変な時期がありました。

1999年秋以降の6年間は、時代とともに着実に子どもたちへの理解が進み、検査施設が増えたと思います。まだ地域差はありますが、行政(医療機関を含め)の子どもたちへの対応は完全とは言えないものの、かなり改善・整備されてきました。

私のホームページ開設当初の目的である、個別に相談を受け、それに答え、必要な施設紹介等々の情報を提供するという使命はかなり達成されたと感じています。

行政(医療機関を含め)の子どもたちへの対応が進んだことから、ホームページで個別に相談を受けることは2005年末で終了させていただき、2006年からは「きこえとことば発達情報室」として、ホームページの役割も「役立つ情報の提供」に変わりました。

更に、「個別訓練」ではことばの遅れがほとんどを占め、その中に色々な発達の問題を背景に、ことばが遅れている場合が大半で、軽度~中等度難聴も背景に抱えている場合もあります。

現在(2014年)は、「ことばに問題を抱えた子ども達が、今後どうすべきか」という相談は、保健センターがその役割を担っています。また、多くの訓練施設もできてきましたので、このサイトを開設した当時のような問題はなくなりました。

今後は、子育てのなかで親御さんが「あれっ?」と感じた時に「きこえ」や「ことばの発達」についての初歩的な疑問についての情報を得られるサイトを目指したいと考え、掲載内容も平易なものを中心にサイトをリニューアルして、皆様のお役に立てることを願っています。
2014年10月
医師:黒石敏弘


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