■ MaSaNa's OUT DRIVER ■
『武生林道・細崎入林道・宿向林道』
  7月7日、ふとドライブに出掛けたくなって、最近バイパス化が進み快適なワインディ
ングに変貌した国道394 号を北に向かった。常陸太田の町を抜けると道には信号もなくな
り、60km/hを保って走り続ける事が出来る。ミラーを見ると後ろに青いmuが映っていた
。ただでさえ珍しいmuが田舎道で2台っきりのランデブーになくというのも珍しい。
 しばらくするとmuは里美村の観光物産店に入って行った。
 福島の県境まではあっという間だった。Uターンして里川を渡り、国道の対岸の農道を
南下した。左側の農家の裏から林道が伸びていた。林道の入口に『村道宿向線』という標
識があったので、この奥に集落があるのだろうと予想していったが、それらしいものは無
かった。道は急激に高度を稼ぎ、回りも植林地や伐採作業場が目につくようになってきた
。途中、軽トラックのオジサンとすれちがったので聞いてみると行き止まりだという。道
路の回りは低木ばかりになってきて、砂利も切れた。道の真ん中には雑草が茂っている。
道はしばらく下り坂だ。林業作業用の材木運搬車が道端に止まっている。これはミラ等の
エンジンを搭載した3輪車で耕運機の様なタイアがついている。
 いくつか枝道の林道があるがちょっと車でおりていくには狭い。きっとあの作業車用に
出来ているのだろう。本線の方も伐採作業場でついに終わってしまった。右側には崖に赤
土をもった作業道が続いている。車をおいてこの作業道を歩いてみるが路盤がゆるく、場
所によっては古タイヤで補修している具合なので流石にこれ以上入り込むのはやめにした
。
 その次の週、今度は水府村方面に行ってみる事にした。
 水府村役場の前の道を北上していく。この道には『竜神ダム○km』の表示がこまめにで
ている。竜神ダムは昔のままだった。ただ吊り橋工事の為、遊歩道が通行止めになってお
りダムをゆっくり見る事はできなかった。
  ダムを後にして武生林道を目指す。武生林道は竜神ダム入口の先の集落から左に入って
いく林道だが、入口は民家の間の狭い道なので見落としやすい。『武生神社』の看板を見
落とさないようにしたい。道は集落の裏から始まるつづれおりの坂道で一気に高度を上げ
ていく。堀通しを過ぎたところで下武生の集落に出る。これは後日知ったのだが、この下
武生から左に入ると『竜神ふるさと村』という施設がある。ここはループすべり台を始め
としてロッジ・キャンプ場などがあり、竜神ダムへの遊歩道とあわせてのんびりと自然を
味わえる公園となっている。
  さて武生林道をしばらく行くと右側の峰の上にログ風の展望台が現れる。宝剣台展望台
だ。
  道はどこまで進んでも舗装されている。右手に林道を見つけ入り込んでみたが700m程で
行き止まりになっていた。
  武生林道をさらに進むとT字路にぶつかった。左へ行く道は男体山登山道の入り口だ。
右へ進むと林を抜けた所で田園風景がひろがった。そして県道に突き当たって、武生林道
は終わった。
 県道を水府村役場方面へと向かう。途中の集落で道なりに進んだら県道をそれて、里美
村方面へ向かってしまった。水府村と里美村の村境で右側に林道を見つけた。標識には『
細崎入林道 全長500m  東金砂林道と接続』とある。
  道は尾根沿いのフラットダートで、左右の桧の植林の間から麓の集落や、遠くの山々が
通せる。途中、Y字路にぶつかるが右側の下っていく林道は支線、本線は左側。高台の広
場に車を止めた。右側に県道とそれに沿った集落が見える。よく見ると山肌に竜神ダムを
見る事も出来た。
 道は相変わらず高台を走り続ける。地元ナンバーのソアラがほこりを上げつつ擦れ違っ
て行く。地元林業関係者といった所だろう。作業場になっている所では伐採した材木の枝
葉が散乱していて、本線上の路面もキャタピラーの跡でデコボコに掘れていた。
 しばらく林の中を走っていくとまたY字路が現れた。登っていくと道が狭くなっていた
。もう、日が暮れ始めていて林の中は薄暗くなり始めていたので車のライトをハイビーム
にしたまま歩いて先に進んだ。坂をのぼりつめると神社の境内に出た。シルエットの様に
古びた建物が立っていた。ふと、振り返ると今登ってきた坂道のむこうがmuのライトで
ボンヤリと未知との遭遇の様に光っていて不気味だった。
 車にとって返し、左の林道を進む。間もなく東金砂神社の標識と駐車場が現れた。本当
の参拝者はここに車を置いて長い階段を登っていくらしい。
 後日、東金砂神社を訪れた際は、駐車場の片隅から国道 349号方面に下りる林道を走っ
たが、この日はまっすぐ林道を走り続けた。しばらく行くとT字路にぶつかった。左に行
く道には『東金砂林道第一支線』と書いてある。この日はこの道が 349号方面に下りる道
だと思って下りていってみたが、どんどん草の茂る道になって来て、ついには路面がほと
んど見えなくなり、赤土だけの歩いてしかいけないような道になり、それ以上進むのを、
諦めた。
  Uターンする頃には日も暮れていた。林道本線に戻り、集落の中を県道に向かった。県
道に出る所には『東金砂神社』の立派な鳥居が立っていた。この県道を境に東金砂神社と
西金砂神社があり、昔は山道で繋がっていたようだが、今では西金砂神社から県道に出る
道が廃道状態になっており、二つの神社をつなぐにはかなり回り道しなくてはならなくな
っている。
 この日は常陸太田を回ってそのまま帰った。

以上

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