■ MaSaNa's OUT DRIVER ■
『常陸太田から高萩へ』
 九月はじめのある日、常陸太田の瑞龍山に行ってみた。ここは水戸徳川藩の墓地であり
水戸光国公の墓もまた、ここにある。国道349 を北上し、常陸太田市街を過ぎた所で標識
に従って山に入っていくと瑞龍山だった。
  瑞龍山を後にR349を北上する。玉簾の滝を過ぎた所で、日立方面に右折する。しばらく
行って油ケ崎を過ぎた所で『大方平』の標識に従って左折する。一気に峠を上り、山間の
集落を進む。道の横にチョコンと立てられた標識によるとここは『村道下ノ幡前内線』と
いうらしい。再び峠を越えた所で県道に出た。全面舗装で2.5km 程の道のりだった。
  しばらく東に進みY字路を右に入る。農家の軒先をかすめるように抜け、峠を一つ越え
るとT字路に出た。地図を見て右に出てR349に戻ろうと決めた。ふと、見上げると正面を
川が流れている。車を下りると一気に清流のザワザワという音が溢れて来た。川は深荻沢
といい、なかなかの急流だ。それで考えが変わった。この川の源流の方に行ってみよう。
しばらく登ると右に作業場が現れた。その手前にY字路がある。右は赤根林道とある。左
は集落に入っていく道だ。集落を抜けていくと二人のおじさんが道端で休んでいた。その
先で道は再び赤根林道に合流した。林道を行くと農作業のトラックが道を塞いでいる。お
じさんは荷台から飛び下りると車を寄せてくれた。荷台の子供はそのままだ。間もなく、
道はT字路にぶつかった。正面の山肌に道路が走っているのが見えたので入り口を探して
行ってみた。どうも工事中の新道のようだ。1km程行った所で道は荒れ始め、突然スッポ
リと路面が切れ落ちて終わっていた。その終点近くに花が添えられたセダンが停まってお
り何故か不気味だった。
  北上を続ける。アチコチで新道や拡張の工事をやっているのが目につく。やがて県道に
出た。この県道を十王町方面に向かい高原という集落で左折する。道はあっという間にダ
ート路になる。ここも時折工事中の箇所がある。『林道作業中』が見えたと思ったら、も
うカーブの先に作業者が現れた。ちょっと道具をどかしただけで通らせて貰えた。
  道は勾配こそ少ないのだが、雨で溝があちこちに掘られている。多分、乗用車での通行
はかなり危険だろう。途中、廃屋あり、作業場あり。久し振りに見た民家の納屋にはしっ
かりJIMNY660が停まっている。道端に軽トラを見つけ近付いて行くと、それは事故車で、
傷からしてどうも転倒したようだった。カーブでは内側が大きく掘れ車も大きく傾く。時
には路肩が崩れ車の全幅に足りない所もある。
  鈴平という山中の集落に抜ける林道が見つからないままに林道は終わってしまった。

  以前にも通った黒坂林道に向けて走っていくと米平の集落に出る。ここから米平牧場に
いく道は全面舗装だが、目的は牧場の手前から北に抜ける林道だ。
  ダートに入ってしばらく沢沿いの道を行くと逆Y字路に出た。右後ろに上って行く道の
方が整備されていたのでそちらに上っていくと500m程で工事現場に出てしまった。山の中
腹に土を入れて何を作ろうと言うのだろう?更に枝道を上っていくと牧草地の片隅で道は
切れていた。牧草地に入って行く事も出来たが良心で遠慮した。
  黒坂林道を十王町側から上っていく。こちら側では『米平林道』と呼ぶようだ。一度、
通った事のある林道だけに景色を楽しむ必要もなく前方に意識を集中して林道を抜けてし
まった。
  今日はそのままR349に出て南下した。

[OutDriver]