■ MaSaNa's OUT DRIVER ■
四国TOURING3
 琴平を出てR379を北上。善通寺の市街へ入る。善通寺への参道の一本横の通りから寺の
裏の駐車場へ入る。ここは五重の塔があったり百数体の地蔵があったりする。巡礼のバス
ツアー客が大量にきていた。駐車場に戻り、昨日買っておいた朝食を食べた。
  善通寺から丸亀の海岸沿いに出る。瀬戸大橋の影響か2車線の道路が完備している。再
び海岸沿いをゴールドタワーに向けて走る。昨夜とはまた違った瀬戸大橋の白い姿が見え
る。空がどんよりと曇っているのが残念だ。ゴールドタワーは四国のお土産を買える最終
ポイントだ。この時はそう思った。
 お土産を買い込み車に戻る。瀬戸大橋の下の埋め立て地を瀬戸内海に向けて走る。一番
先端は沙弥島という地名だった。本来、島だったところが埋め立てで地続きになったのだ
ろう。沙弥島だけは家も道路も漁港も古くさい。その沙弥島の先端に広い空き地があって
瀬戸大橋を見渡す事ができた。もちろんヤボな観光客などいない。この景色を四国の最後
とした。
 坂出北インターから瀬戸中央自動車道の瀬戸大橋に駆け上がる。道端に車を停めて写真
を撮ったり下を見下ろしたり、やっている事はどこの人間も変わらない。雲が出ていて、
見通しがきかないようなのであえて車をとめるような事もせず、与島のサービスエリアに
すべりこんだ。この小さな島は車で溢れていた。普通のSAのある第一駐車場も京阪フィ
ッシャーマンズワーフのある第二駐車場も車で溢れていた。その駐車場の脇に申し訳程度
に昔ながらの漁村が残っていた。瀬戸大橋でもっとも大きな影響を受けたとすればこの島
の住民だろう。ひっそりとした孤島に巨大な橋脚がそびえたちそこから本州や四国からど
やどやと人がやってくるのだからいい迷惑だろう。JR瀬戸大橋線の騒音だって無視でき
ない。
 フィッシャーマンズワーフの中はさながらバーゲン会場のような混雑ぶりだ。店内は各
県別・観光地別の売り場に分かれていて瀬戸内海沿岸と四国のすべてのお土産がここでそ
ろう。なにもわざわざ四国のあちこちでお土産を買って来なくてもここにくれば全部そろ
ったのだ。のんびりと閑散とした四国の中で過ごしてきたせいか人込みに拒絶反応を起こ
したぼくたちは2階の外人ウェイトレスのいるスパゲッティ屋にはいったがここも忙しい
せいかベランダまでなかなか注文を取りに来ない。ぼくたちは結局、何も頼まずここを出
てきてしまった。
 瀬戸大橋を渡りきり児島インターでおりる。これだけで5千円を越えるのだから全くも
って値段が高い。下津井電鉄のある下津井を回り道してからR430に出て、県道を経由して
R2に出た。5月4日昼すぎ岡山。いよいよ帰路である。

 中山サーキットに寄ったり、赤穂のドライブインで昼めしを食べたりしつつ順調にR2を
東進した。明石ではトイレによるため明石港によったのだがその間にスケさんが明石の玉
子焼きの列に並んでいて結局買うのに30分かかってしまった。この玉子焼きというのが、
実はタコ焼きで大量のツユをかけて食べるのだが600 円のパック一つでまるで一食分もあ
ろうかという程の量があった。神戸で渋滞にあった。神戸からはR43-R25 とたどり大阪を
抜け天理にむかった。天気が悪かったせいか大阪花博による渋滞はほとんどなかったが、
天理に近付くにつれ雨足がはやくなり、名阪国道に入る直前にコンビニエンスストアを見
つけた時には相当な降りになっていた。名阪国道はアップダウンの激しい高速道路のよう
なものなので雨でめちゃくちゃ視界が悪かろうが相当なペースで走っている。タイヤは雨
で浮き、ヘッドライトは前方をまるで照らしていないにも関わらず前走車のテールランプ
を追い掛けるようにして 100kmペースで走っていく。
  名古屋では少し降りがおさまったが豊橋あたりではほとんど道路が浸水状態になり、時
には対抗車のはねあげる水で前方かまるで見えなくなる時もある。しばらくコンビニエン
スストアで様子を見るが止むどころかひどくなるばかりなのでまた走りだした。結局、浜
名湖、静岡、沼津、御殿場とまるで雨と追い掛けっこをするように走り続け、ようやく雨
足の弱まったのが感じられたのはR246も横浜に入ろうかという頃だった。
  R246で前を走っていたユーノスが藤が丘を右に折れ、ぼくらは左の柿が丘へむかった。
5月5日朝7時半CANON寮前。雨は上がりはじめていた。雲はうすれはじめている。
今日は雨が上がったらピーカンに晴れるかもしれない。でもまぁいい。もう充分走った。
まずは一刻も早く眠りたい。眠りたい。あぁ眠い。
                                    END

[OutDriver]