■ MaSaNa's OUT DRIVER ■
四国TOURING 2

海底館は入場券を売っている店から5 分程海岸を歩いた所にある。らせん状の階段を下り
ていくと青い淡い光りに照らし出された展望所。丸い窓からは餌に誘き寄せられた様々な
色とりどりの魚が泳いでいるのを見ることができる。見上げると海上が波打っているのま
でを窓越しに見る事ができる。なかなか飽きることなく見惚れていた。
  R321を再び北上する。きれいな2 車線の道はペースも早い。やがて左手に海が見え始め
る。宿毛湾だ。宿に毛とかいて『すくも』と読ませる。宿毛の街には名物のたいやき屋の
おばあちゃんがいるとこちらのタウン誌に出ていたのでバスセンターに行ってみたがいな
い。『店を出す日はきまぐれ』とあったので運が悪いとあきらめる。
  街の中心部で右折してR56 に入る。御荘という街を左折して県道にはいる。この町の先
には西海町というほとんど島といってよい半島があり外泊や武者泊という独特な漁港があ
るという。ミスコースしたため有料道から再アプローチする。
  晴れていればもっと景色もよく御機嫌だったかも知れないが今日の西海町に関していえ
ばちょっとさえない。
  西島有料で西島を離れ再びR56 を北上する。宇和島を通過し、大江で県道に入り鳥越峠
から八幡浜市入りする。これからR197で佐田岬を目指す。R197別名メロディラインは将来
九州との連絡橋を作る計画でもあるのだろうか?どんづまりの岬にのびる国道にしては格
段の出来だ。途中には大きなレストハウスまである。ここも天気さえよければ右に伊予の
海が左に宇和海が見られるのだが今日はみえない。
  メロディラインは三崎の町までで終わっている。ここは国道九四フェリーが出ている。
九州にもっとも近い四国の港だ。フェリー港をすぎると岬への道はいきなり山道となる。
集落の中をいくつか抜けて走る。やがて佐田岬を望む駐車場が現れる。あいかわらず雨が
降っている。岬の灯台と海水浴場がどんよりした雲の下にながめられる。
 九州が見えようはずもなく眼下の緑色の砂浜を写真におさめ岬の駐車場を後にした。
  道を間違え狭い道を海岸の方におりていくと漁港にたどりついた。閑散とした漁港だ。
港をぬけ、再び坂道を上り元の道にもどる。三崎の町に近付くにつれ三崎港の湾越しにも
う一つの岬が見えてきた。地図をみると向こうの岬にも道路はあるらしい。三崎の町を過
ぎたT字路を右におれ、その岬へとむかう。結構広い舗装路だ。一つ目の漁村を過ぎると
道は細くなった。しばらく走り井野浦海水浴場を過ぎると道は草のはえたデコボコ道に変
わる。ついに道は右は三崎港の堤防の突端の灯台に突き当たって終わり。左はどろどろの
林道で坂の途中をバックホーが道を塞いでいる・・・という所まで来てしまった。
  林道の方はバックホーより先の道は出来ていないようだ。堤防は5m程の幅で三崎の湾
に突き出している。5cm 程の段差をガタガタと乗り越え堤防の突端まで車をすすめる。
  右には三崎港が見え正面には佐田岬へつづく半島をさっき通ってきた道路がななめに横
切っているのが見える。佐田岬ははるか左のほうまで続く半島の先にあるのだろう。ここ
からは見えない。しばらく写真を撮ったりしながら風に吹かれていた。
  バックで堤防からもどり少しでこぼこ道を戻った後、右折した。すぐにちいさな湖にぶ
つかった。アヒルかなんかがいる。それを左に見つつ進むと目の前に海が開けた。宇和海
だ。道路の海に面した部分にレールがあり妙な機械が乗っている。小学校の社会で見た覚
えのあるあのミカン用のモノレールだ。道路から海岸までの20m 程をモノレールは蛇行し
ながら下りて行けるように出来ている。上から見下ろすと海岸までは絶壁のように見える
がミカン畑になっていてそこをモノレールのレールが見え隠れしている。
  この道はきれいに舗装されていたがいきなり行き止まりになっていた。
  三崎の町を通り再びメロディラインに入る。雨は弱くなり見晴らしも少しよくなってい
た。
  八幡浜で夕飯をとろうと197 号線をはずれ港に向かう。九四フェリーの発着港であるが
飲食店は見当たらない。街中でみかけた16タルトという店まで戻る。外観はレストラン風
だが喫茶店だった。後でわかることだが16タルトというのは松山にあるタルト( ロールカ
ステラ?)の老舗で各地にチェーン店を見る事になる。車を路駐しアーケード街を歩く。
数点の書店と寿司屋、飲み屋があいてるばかりだ。いよいよ八幡浜で夕食をとる事をあき
らめ大洲まで行こうと車を出した。大法寺の方から来る道に出るとすぐ釜めしの看板が目
に入った。朱と黒の派手なつくりだ。ふと見ると隣に天プラの看板を出した店がある。
  さびれた感じがいい。悪いが釜めし屋の駐車場に車をおき天プラ屋に入った。せまいカ
ウンターは 3〜 4人の先客でいっぱいだった。奥の座敷の電気がつきそちらに通された。
 満腹感にはちょっと物足りないがさっぱりしていてうまい。

  八幡浜を出て一路 197号線を松山へと向かう。大洲でちょっと国道をはずれる。NHK の
『おはなはん』の舞台となった明治の家並みが残っているという。行ってみるとある、あ
る。軒の低い二階屋が両側に並んでいる。しかし残っているのはほんの一角に過ぎない。
 197号線を10km程言った内子にも古い町並みが残っているという。こちらは大洲と違って
観光地化が進んでいた。白壁の公衆トイレ、まぶしいくらい白い白壁の蔵、そしてとって
つけたような白壁の店、関係ない民家までが申しあわせたように蔵のデザインをまねてい
る。個人的にこういう観光地はヘドがでる。団体バスでこんな所にきて旅をした気になる
ならテレビでも見たほうがましだ。
  で、少々憤慨しつつ松山へ向かう。10時頃、松山に入る。道後公園から脇道に入り一方
通行で迷ってしまったが偶然、道後温泉の前にでた。10時15分だ。道後温泉は10時半でし
まる。温泉は10時半を少々すぎても大丈夫だが駐車場は10時半で閉まってしまうという。
そこで別な駐車場に移ろうとしたのだがここで思わぬハプニングに陥る。Uターンした時
にエンストしたのだが元々弱っていたバッテリーが旅行で益々弱っていたためエンジンが
かからなくなってしまったのだ。
 そうこうしている内に時間はなくなってしまい温泉には間に合わなくなってしまった。
人の多い道後温泉の脇でおしがけをしてエンジンをかけ、エンストしないように松山をぬ
けた。
  明日の朝、MJに出ていたクイズラリーを走るため今治の方へ向かう事にする。196 号
線を北上し、北条を抜け今治をバイパスして桜井海岸海水浴場の入り口の駐車場で寝る事
にした。雨はまだまだ降りやみそうになかった。
  一夜あけ五月三日、今日は地元のモーター誌MJに出ていたクイズラリーに挑戦?する
事にする。196 号線を南下し東予市内でガソリンをいれる。クイズのスタート地点になっ
ている『りんりんパーク』の位置をここできいた。何しろ地元向けの雑誌だから『りんり
んパーク』なんていう地図にも出ていないような所を平気でスタート地点に指定してしま
うのだ。
  このクイズはPD QUIZZY MAP と違って距離をはかる必要がない。クイズを解くというか
調べるだけでよいのだ。問題の一つがあった鈍川温泉・鈍川渓谷というのはこのクイズで
もなければ見過ごしていただろう。ゴールは半島の西側の北条の青少年スポーツセンター
で11:30 頃には到着した。とうとう他の参加車には会わずじまいだった。
196 号線から昨日のルートで松山へ戻る。道後温泉へ入ろうという訳だ。車を道後温泉の
裏手の駐車場へおいて温泉に入る。温泉は一人250 円だ。老人が多いのは当然だが、意外
と若い人が多い。世話人? の右往左往する廊下を歩いていくと広い部屋にでる。これが、
着替え部屋。・・・と言っても長椅子に腰を降ろしてのんびりオシャベリしている人もい
れば、お茶の準備まである。
  温泉はちょっと狭い感じ。一日に何度も入りに来ているのかおじいさんもおじさんもテ
カテカしている。世話人のオバサンは小さくなった石鹸を処分するため男湯だろうとかま
わず入ってきていた。
  とにかくたくさんの従業員がせわしく行き来するなかで客は好き勝手にのんびりできる
とこを見つけてのんびりしていた。
 温泉を出るともう一時間が過ぎていた。昼を食べにアーケード街に入った。何軒かのウ
ドンの看板が目についたがその中の道後亭という店にはいった。一番奥のテーブルについ
てカレーとウドンのセットをたのんだ。待っているあいだテーブルの脇にあった観光ガイ
ドを見ているとこの道後亭が松山で一番おいしい店として出ていた。ちなみに四国で一番
おいしい店は高松の川福という店だそうである。
  カレーとウドンのセットはちょっとすごい量でウドンだけで充分だったなと思わせるも
のがあった。
  
  松山を後にして国道11号線を東へ向かう。幹線道であるため大型車が多いせいかペース
は遅い。朝方クイズのスタート地点としてよった『りんりんパーク』の前を再び通りすぎ
る。東予を過ぎると予讃本線と平行して走る。両側には吉祥寺を始め寺が多い。
  しばらく走り国道194 号線に右折する。しばらくは川沿いの広い道路が続いているが、
段々高度をますにつれ道幅は狭くなってくる。川沿いの狭い部分を一部トンネルでパスす
ると寒風山をこえる峠がはじまる。ここは本当につづれおりの峠で 1km程走っては180 度
Uターン、1km 程走っては180 度Uターンというのが続く。トンネルをくぐるとまた下り
のつづれおりだ。日の浦で県道に入る。川沿いに右に左に続く快適な県道だ。
早明浦ダムを過ぎてよさく街道こと 439号線にでる。ここから吉野川沿いに 439号線を大
豊にむかう。大豊は 439号線と32号線がぶつかるところであると同時に高知自動車道の現
在開業されている北端でもある。この大豊ICのそばに今日、2&4ミュージアムという
のがOPENしたのである。2&4ミュージアムはALTI300と名前が変更されてい
たが、とにもかくにも大豊ICから造成地を上っていったてっぺんのれいほく21世紀セン
ターの中にあった。途中電話をかけた時21世紀センターにかかってしまったので間違い電
話をかけたと思ったが実はそういう訳だったのだ。
  ALTI300はすでに5時にCLOSEしていた。到着した時は5時半だった。幸い
展示場の一部はガラス越しに見る事ができたがこれで何も見えなかったらわざわざここに
来た意味がなくなっていたところだった。
 セリカのWRC使用車やロータス・アルファのザガートなど展示車の趣味性は高い。
 坂を上ってくる途中、VISTA大豊という看板があったがALTIの柵越しに下を見
るとそれはジムカーナ場だった。雨がパラパラと降る中、どこかのクラブがジムカーナを
続けていた。コース全体を上から見下ろせるのでしばらく見ていた。なかなかこういう位
置から見えるものではない。
 雨の中、おととい通ったばかりの大歩危を北上する。国道32号線だ。32号線は吉野川沿
いの谷間をゆるやかに走っている。やがて 192号線と立体交差で合流し池田町へと入って
いく。池田町のあたりは 192号線との共用区間なので混んでいる。夕飯を食べる場所がな
かなかきまらないままダラダラと走っていく。池田を過ぎ 192号線と別れ吉野川を渡ると
道はまた流れだした。猪の鼻峠をすぎヘアピンを2 つ過ぎると讃岐平野の明かりが見えは
じめる。琴平に近付くにつれ渋滞が始まる。琴平をすぎ善通寺で11号バイパスにぶつかっ
た。バイパスはさすがにレストラン・大型書店・大型スーパーなどがたくさん開いていて
コンビニエンスストアがない事とうどん屋が多い事をのぞけば本州と大差ない。
  和食か釜めし屋をさがしていたのだが本州系のレストランとうどん屋ばかりなので先に
本四連絡橋を見にいく事にする。すでに坂出インターを過ぎてきてしまったので道に迷い
ながら坂出の旧道にでる。だんだん瀬戸大橋が視界に迫る。ベイブリッジとは規模が違い
過ぎる。まるで万里の長城のような橋が海に向かってのびている。
  瀬戸大橋の下をくぐり宇多津のゴールドタワーに行く。ここには原宿村や屋外シアター
などがあり、いわば香川のトレンディスポットだ。原宿村はちょうど閉める所で観光土産
店だけが営業していた。食べる所はもうない。
  坂出の市街でも食べる所を見つけられずとうとう高松に今夜中に行ってしまうことにす
る。四国の観光ガイドを見ていたら、昼に道後亭で見た川福の名前が出ていたので、どう
せ高松まで行くならそこに行こうという事になった。
  高松城の回りをぐるぐるまわってようやくアーケード街の中にある川福を見つける事が
できた。時間はもう10時だった。おなかをさんざんすかせていたことをさしひいても、こ
このうどんは今回、四国で食べた中で一番よかった。ふわふわとした表面とこしのある麺
や醤油というより塩味のつゆといい他ではないだろね。

  ・・・という訳で我々は瀬戸大橋の夜景が見えるという生岬をめざす。今晩はその岬の
あたりで車中泊を決め込むつもりだ。まさかその後にこわい思いをするとはこの時は思っ
ても見ていない。
 街外れにコンビニエンスストアをみつけ明日の朝食を買い込む。アイスを食べて出発。
TBSで谷村有美がDJをしている時間なのでつけてみるとよく入るので聞きはじめた。
 高松坂出道路には入らず海沿いの道に右折する。前に高松坂出道路から来た黒いアメ車
が入ってきた。リアにウイング型のアンテナをつけている。車種はなんだろうと言いつつ
車間を詰めていく。『後席の人、にらんでいるよ。』というのとほぼ同時にアメ車はハザ
ードをだして路肩によけた。僕がその右を通りすぎると、ふたたびアメ車は出てきた。今
度は向こうが車間を詰めてきた。スピードをあげた。あげたといっても海沿いのカーブの
多いところだからそんなにとばすわけじゃない。アメ車は相変わらずピッタリついてくる
。左に脇道があったのでそちらへよせて止める。アメ車は行っちゃうんじゃないかと期待
したのだがアメ車はピッタリ後ろにつけてとまる。『Uターンしちゃえば』の声にUター
ンして逃げる。アメ車はまだ動きださない。今、来た道を高松まで戻る。
 高松の番長交差点。何度か信号にひっかかりもしたけれどアメ車はもうこない。黒い車
を見るたびに気をつけながら走る。今晩はもう生岬方面にいくのはあぶないという事で、
瀬戸大橋の夜景はあきらめ、明日の朝に行くつもりの琴平方面に向かう事にする。 R32バ
イパスを北上する。途中、未開通部分があるため旧道に戻るところがあったが、その未開
通部分でねちゃおうというアイデアが採用されそういう事になった。ここなら誰も文句は
言わないし例のアメ車も来ないだろう。
  明けて5月4日、今日が四国の最終日となる。早々と目がさめてしまったので、琴平に
向けて出発する。琴平の金刀比羅宮は朝早いというのに駐車場の客引きと団体客でごった
返している。無料という文字にひかれて車を入れると、2千円買えば無料との事だった。
まぁ、最終日だからお土産も買わなくっちゃいけないという事で車を入れた。杖を借り、
団体客にまじり階段をのぼっていく。百段目を越える位までは土産物屋が続いているが後
はもう山だ。延々七百段をのぼった所から見る讃岐平野は山に朝モヤがかかりきれいだっ
た。
 お土産を買い込み、車を出して貰おうとすると、少し歩いた所にあるという。要するに
客引きは金刀比羅宮のそばで行い、客が御参りにでかけたらその車は少し離れた駐車場に
移し、その空いたところにまた客引きするのだ。なかなか商魂たくましい。

[OutDriver]