■ MaSaNa's OUT DRIVER ■
中津川林道                         1990.09.02 writes:
8/12
  夏休み。中津川林道と大弛峠を走り繋いでこようと思う。GEMINIだと夜出発というケー
スが多かったんだけど JIMNYの場合いろいろと制限が多くそうもいかない。・・・で早朝
出発しようと思っていたんだけどまた寝坊してしまった。出発は12時だった。
  60833 km綱島を出発。しらとり台・鶴川・町田街道と走りつないで八王子をめざす。
  八王子が近付くにつれ前方に黒い雲が湧いてきた。やばいなぁと思いつつもこの間の御
殿場の時のように通り雨で終わる事を期待して帽子とウインドブレーカーをかけただけで
幌を掛ける気にもならず車を進めた。
  午後1:50、八王子R20 を目前にして雨が降り始めた。それも豪雨。どしゃぶり。甘かっ
た。おかげで全身ずぶぬれ。まるで滝に打たれているようだ。その上、八王子市街に入っ
てしまっているので車をとめる所もなければ渋滞にはまって先を急ぐ事もできない。
  30分後八王子を抜け秋川街道に入ってしばらくしたところでようやくセブンイレブンを
みつけたところに車をとめるまで雨の中を走り続けた。そこは店の裏側に駐車場を持って
いるタイプなので幌を付けていても気がとがめないちょうどいい場所だった。
  五日市から更に北上し青梅からは成木川沿いに秩父を目指す。山の中に『ちかんにちゅ
うい』なんて看板があったので何て場違いなっと思ったがよく考えればこのへんって『宮
崎某』のテリトリーだったんだよね。納得。
  名栗から広河原逆川林道が開通しているなんて知らないから一旦、秩父まで抜けた。
秩父ですでに午後4:30。時間的にかなりおくれている。すべて出発が遅れたのか災いして
いる。
  秩父を抜けてR140を走る。この道は大滝で行き止まりになっているが将来は山梨の塩山
へと抜ける。楽しみだ。
  『最終セブンイレブンこの先500m』という看板が出ていた。ガソリンスタンドじゃない
んだから。でも、アウトドアだ、オフロードだ、と騒ぎつつ結局はセブンイレブンの御世
話になってるんだから情けない。中津川方面と大滝方面との分岐はまず見落とす心配はな
い。Y時路の信号で止まると正面にドーンと案内看板が立っているのだ。
  しばらくはセンターラインのある快適な道だ。『落石注意』の看板が多いなと思ってい
るうちに正面に落石が現れた。落石といっても半端じゃない。対向車線一杯をふさいでい
る。
  中津峡の前後ではサーフといっしょだった。
  R299方面へ抜ける林道との分岐点では路肩でJIMNY とランクル40が2台の間にテント布
を渡してキャンプをしていた。そうだ、もう午後5:40なのだ。山の日暮れは早いのだ。
  反対側から路線バスが走ってきたので路肩に寄せて待った。ついでにパーキングを出し
てここまでのメモを取る事にした。何台かの車が通りすぎた。メモをとっていると突然ボ
コッボコッと鈍い音がした。ふと見ると少し先に40cm程の岩が2つ落ちていた。ゲッ!
さっきまでなかったのに。あれじゃバスが通れないじゃないか。いや、それ以前にあの岩
が落ちる瞬間に車が通りかからなかったのが不幸中の幸いか?
 とにかく、この場所は危なそうなのでスタートする。
 午後6:00、中津川の集落。路線バスの終点。ここから『中津川林道入口』の看板があり
すぐにダートが始まる。オドは60997.5 kmだ。
  キャンプ地を一つ越すごとに道の状態が悪くなる。シーマからマーチまで一般車も走る
生活林道のようだが乗用車にはちょっとハードだろう。生々しい崖崩れ跡もあり、ここで
は車一台分の幅、岩がよけられているだけだった。
  最後のキャンプ場もすぎ道は最悪になりつつある。時々大きなギャップがあったり、と
がった岩があったり、オーバーハングのある崖があったり・・・しかも雨はまだしょぼし
いぼながら降り続き、遠くには雷の音も聞こえる。お盆に御巣鷹山を通ってるってだけで
も気が進まないって言うのに。
  カーブを左に曲がろうとしたとき右側の崖下にきれいな渓谷が見えた。車を崖側のスペ
ースによせて停めて車をおりた。ずーっと谷を走っていたのですっかり日が落ちたものと
思っていたが見上げると雲の隙間から思いがけず青空を見る事ができた。
  崖から下を見下ろす。きれいな沢が見える。すっかり影を落とした谷を白い川が流れて
いる。よく見ると河原に黄色いテントが見える。しかも乗用車も見える。RVブームってす
ごい。こんなところまで来てるんだ。と思ってしまった。

  途中、2台のオフロードバイクに道を譲った。
 深いコーナーが続く。崖をジグザグに切り通したダイナミックな上り道もある。
 とうとう日は落ちてJIMNY の頼りないヘッドライトが頼みの綱だ。

  カーブを抜けると視界がひろがった。遠くの稜線が雲に霞んで見えている。
  そこが三国峠だった。標高1828m を示す看板があった。車を下りると高さのせいか結構
寒い。
  三国峠の看板を後に切り通しを通過すると川上村となる。こちらは自販機が置いてあっ
たり観光地然とした案内板があって興覚めだ。ただし遥かに八ヶ岳方面を望む事ができ、
ちょうど山にかかった雲の向こうに日が沈むところで、雲だけが視界の中で白くボンヤリ
と輝いていたのが印象的な光景であった。
  ここからの下りはフラットダートが少し続いた後、舗装路となり麓の梓山へはあっさり
とついた。時間は7:10。距離は 61025kmだった。林道のダート部分は20kmといったところ
か?
  その後は大弛峠の入口がわからないまま、川上村役場までいってUターン。戻ってみれ
ば大弛峠は通行止め中。信州峠は土石流で道がわからなくてってしまう次第。
 結局、野辺山から南牧・飯盛山をぬけて道に迷いながら清里に出た。
 そのまま帰宅すると時間はすでに翌朝2:00、距離は 61280kmになっていた。

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