■ MaSaNa's OUT DRIVER ■
「MaSaNaの北海道ツアーPART4」
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			7.函館へ

 知床五湖のそばでキタキツネを見た。道端にチョコンと座っていた。もしかし
て餌が貰えると思ってそうしているのだろうか?北海道に入ってから何度か「キ
ツネに餌を与えないでください」という看板をみた。
 大津の港でも白鳥台でも人慣れした野良犬がいて朝まで車のそばで寝ていた。
夏の間、餌に困らなかった彼等はこれからの冬をどう過ごすのだろう?
 知床半島北側のR334を半島付け根に向かって走る。オシンコシンの滝は団体の
オジサンで溢れていたので車からみただけで通りすぎた。右のオホーツク海越し
に網走へと続く海岸線が見えている。

 斜里という街からR244にはいった。越川という地区に根元線越川駅駅逓所跡が
あった。廃線後わざわざ国道脇に移築されたそうだが既に朽ち果てている。石碑
だけが妙に新しい。駅跡はすでに農地になっている。国道越川橋の先に巨大な、
アーチ橋が残る。ここは線路延長の為に作られたが開通前に廃線になってしまっ
た幻の橋だという(「鉄道跡を紀行する」より)。
 国道から見えない部分を求めて農道に入っていき、林の中を歩いていくと雑木
林の向こうに確かに巨大遺跡のようにアーチ橋があらわれた。しかし、草ヤブの
ガサガサっという音に驚いて車にかけ戻ってしまったので写真は一枚しかない

 R244を斜里町へ戻る。途中、畑の中にポツンと残る以久下駅舎をカメラに納め
る。
 斜里から釧網本線沿いの道で清里峠へ向かう。大きな商店街だなっと思って車
を止めるとそこは清里町駅前だった。ここで食料を買い込む。
 道道からR391に移り川湯温泉を越えて屈斜路湖に出る。川湯温泉はえげつない
観光温泉と化している。ユカタのおじさんが渇歩し、飲み屋や酒屋のあかりが、
光っている。特筆すべきはコンビニがあることだろう。
 屈斜路湖を回りこみ和琴半島を過ぎた所で津別峠へと左折する。ダート路を、
しばらく走るうちにライトに鹿が照らし出された。立ち尽くしている。2匹。
車を再発進させると鹿は草ヤブの中に入っていった。
 津別峠展望台への道は津別峠から枝道を3km程走る。展望台は当然、無人。
おみやげ屋とかもない寂しい展望台だ。熊が出ない事を祈りつつ朝を待つ。

 10/4の朝、目覚めると東の空が赤く染まり始めている。車を出ると今までで
一番寒い朝だった。展望台は階段を上った所にある。ハンググライダーの為の
台が仮設されていた。
 紅茶とカメラを持って台の先に座って夜明けを待つ。まだ真っ暗な盆地の中
に屈斜路湖の湖面が銀色に光り出す。湖に雲のように朝のモヤがうかんでいる
のが見下ろせる。東の空が赤から黄色に変わり、空全体が藍色から水色に変わ
る頃にはふもとの雑木林も本来の緑色に照らし出される。展望台の下の崖の、
紅葉も朝日に照らし出されはじめる。
 すっかり日があけるとそこにはよく観光ガイドに見る平凡な湖が戻っていた。
あの朝の神秘的な風景は何だったのだろう?

 峠から6km程下ると牧草地の中の舗装路に変わる。廃屋が農地の中に点在して
いる。しかし、これは悲惨な離農農家ではないようだ。廃屋のそばに必ず新しい
母屋が建っている。昔の家を残しておけるのが北海道ならではだ。
 津別の町にでた。津別駅跡は工事現場になっていて何も残っていなかった。
しかし駅跡を境に旧市外と新市外がきっぱりと別れていた。
 R240を南下する。本岐で旧道に入ると本岐駅跡があった。ここはライダーハウ
スとして残っていた。さらに南下して相生の集落に入ると北見相生駅跡がある。
 この駅も元はライダーハウスだったようだが現在は男はホームに保存してる
旧型客車、女性は少し離れた国鉄官舎に泊まるようになっている。もちろん今
は誰も泊まっていない。ホームには他にもキハやSL時代の除雪車が保存して
ある。ここは鉄道公園として整備していくようだ。
 駅の北側の踏切跡に回ると腕木式信号が残っていた。

 R241を足寄へと向かう。オンネトーから林道で足寄に抜けようとしたが一般
通行不可だった。オンネトー越しに逆光の雌阿寒岳を眺めR241へ戻る。
 R241で一台の自衛隊のジープを抜いた。しばらく走ると今度は6台の自衛隊
のトラックが列をなしていた。直線を待って一気に抜くと、何と最後尾の一台
は六輪の装甲車だった。せっかく抜いたのだが待避所で装甲車の来るのを待ち
フィルムに納めると後はおとなしく自衛隊の後ろについて走った。
 のどかな牧草地帯をいく自衛隊の姿は奇異だが、足寄を過ぎると「歓迎!自
衛隊」の看板が目立つようになり、これが日常的な風景だという事がわかる。

 上士幌からR273を糠平に向かう。道すがら公衆電話を探すがこれが全くみつ
からない。山間にはいった所のドライブインにようやく電話ボックスを見付け
車をとめたがバンで来たおじさんが電話中だったので、しばし待つ事にする。
ふと見回すと駐車場の一角に糠平電力館があった。看板の文を読むと、ここが
電源開発の拠点だった頃は村があったが、拠点が移ってここが不要になった後
は自然村として開放しているらしい。「鉄道跡を紀行する」に当事の地図が、
出ていた(P118)。それによると電力館の裏手の林の中に電力所前駅という駅が
あったという事がわかる。砂利道を入っていくと左手に鉄棒があったりして、
往時をしのばせる。しかし、建物はなにもない。駅にたどり着く前に道は草で
閉ざされてしまった。
 電力館を見て、自宅に予定より早く帰ると電話して糠平に向かった。

 糠平駅跡は上士幌鉄道資料館になっていた。入場料100円を払って狭い館
内に入る。展示物は様々な道具、沿線の歴史とありきたりなものでざっと見て
しまえばおしまいだ。士幌線の事故では操車中に動きだした貨車が数駅間も、
転がり続けてしまったというものばかりだ。
 館内には100インチのプロジェクターがあり、テンキーで希望した駅間の
運転台からの風景(雪景色)を楽しむ事ができる。これが嬉しくて黒石平駅か
ら糠平駅までの映像をじーっと見ていたら受け付けのおばさんがコーヒーを出
してくれた。そんなに熱心に見ているように見えたのだろうか?
 ちなみにこの映像で、電力所前のホームを見る事ができた。廃止時点で既に
電力所前駅は列車は止まらなくなっていたのだ。
 その他にもビデオで見る士幌線の歴史・車両、パソコンによる士幌線クイズ
等と凝っている。

 糠平からR273を北上する。糠平湖の回りにはまだまだ鉄道橋が残っている。
 例のオッパイ山を探しながら北上する内に十勝三股の代行バス車庫に辿り着
いてしまった。いったん三股を通り過ぎ旧道に入った所でオッパイ山らしき山
を見る事が出来た。旧道を戻ると駅舎らしきものが見えてきた。丁度、三股山
荘というログ調の喫茶店の裏に駅舎はあった。駅舎は窓をベニヤで塞がれ、そ
のベニヤには○○大鉄研、○○大サイクリング部とまるで寄せ書きのように、
一面の落書きがあった。駅舎以外にも二面のホームと四線のレール、給水塔が
草やぶのなかに残っていた。草ヤブの中に立っているとまるでダムに沈んだ村
にいるような気分になる。

 幌加駅跡を探して一時間程さまよった。幌加の集落はもう残っておらず、道
も、地図に出てる道は廃道になり、新しく別な林道が出来たりして駅の位置を
探しあてるのは大変だった。(だから、あえて目印は書きません)
 車を置いて草むらを歩いていくと足がコキっとなった。レールが残っていた
のだ。線路沿いにまた歩き出そうとして横を見るとそこにホームがあった。
2面のホーム以外何も残っていない草やぶと雑木林の殺風景な駅前風景だった。

 糠平駅、十勝三股駅、幌加駅といい気分になり糠平をあとにした。

 然別湖、扇ケ原展望台、西上幌内農道2号、屈足農道20号、狩勝峠と走り
繋ぎ富良野郊外の麓郷の森についた。ここは北の国からのロケに使った建物を
移築・保存した森林公園だ。中でも那須野ゆたか氏の「森の写真館」でみた
写真がえらく気に行ってしまい写真集やら絵ハガキ・ポスター等、大量に買い
込んでしまった。

 R38を西に向かう。根室本線の滝里駅に寄る。ここは10/22で営業を終了する。
平成8年にダムの湖底に沈んでしまうからだ。駅のまわりには既に草原しか無
くなっていた。

 赤平駅、上砂川駅(悲別駅)、新十津川駅と寄って小樽をめざす。小樽では
夜景を眺めた後、港のかつない臨海公園で寝た。その夜、激しい雨が車を叩い
た。翌朝、北海道鉄道記念館を見て一路、函館をめざした。途中アリスファー
ムのある冷水峠を回って函館についたのは昼過ぎだった。

 夕方のフェリーに乗って大間に渡り、一昼夜かけて茨城まで走った。
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「MaSaNaの北海道ツアーDATA」

 
  距離計積算区間給油量燃費
9/2722:40茨城県勝田市24892km0km
9/2809:20八戸港25477km585km587.1km49.6l 11.8km/l
21:05大間港25773km881km  
9/2915:30室蘭26084km1192km607.2km59.4l 10.2km/l
18:00苫小牧26147km1255km  
9/3012:00東ノ沢林道26369km1477km  
 17:17襟裳岬26541km1649km  
 20:50大津港26660km1768km  
10/109:45帯広26784km1892km700.1km72.5l 9.7km/l
 14:30某東林道26907km2015km  
 21:00釧路湿原27050km2158km  
10/209:30厚岸27154km2262km370.0km37.0l 10.0km/l
 15:00納沙布岬27322km2430km  
 18:45白鳥台27436km2538km  
10/309:41標津27567km2675km412.8km36.3l 11.4km/l
 12:40知床峠27641km2749km  
 21:30津別峠27881km2989km  
10/415:55富良野28263km3371km695.7km67.8l10.3km/l
 20:30小樽28501km3609km  
10/513:00 函館28790km3898km  
 21:41三戸28970km4078km707.6km61.2l 11.6km/l
10/617:21帰宅29491km4599km520.7km47.0l 11.1km/l
大間ー函館間フェリー12300円(全長4m-5m 片道) 何とか燃費は10km/l台にのったようです(^_^

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