■ MaSaNa's OUT DRIVER ■
「MaSaNaの北海道ツアーPART2」
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			4.ナウマン国道
 静内の役場により、営林署の広報紙などを入手した。既に午後3時を過ぎて 
いた。坦々とR235を東へ向かう。
 えりも岬に着いたのは17:17だった。もう、日没直前だった。何とか日のあ
る内に岬まで歩いていったが、のんびり駐車場に戻る頃には日が暮れていた。
 豊似湖へ行く道がダートだと聞いていたが暗くなっていたのでパス。
 JR広尾線広尾駅跡にはキハ、オハ、ヨ、ワム等定番のJR車両が保存展示
されている。ここで夕飯を仕入れナウマン国道に向かう。

 R336はルート上の忠類村でナウマン象の化石が発見されたので、そう呼ばれ
るが、ライダーには原生林の中、フラットダートの続く国道として知られる。
 モスクワ放送からはロシア賛美歌が流れてくる。どこまでも続くダートを
わざと黄色いフォグだけに頼って走ると気分はシベリア紀行である。
 この日は大津という十勝川の河口まで走って寝た。ここは「大津を知らず
して十勝、いや北海道の開拓の歴史は語れない。」(ローカルバスの終点へ)
という位、明治には栄えたそうだが今は一漁村に過ぎない。
 大津港の南側の浜は良かった。浜沿いの道、5m程下に堤防、その下に砂浜、
それが左右2km程続いている。そこに2kmにおよぶ波がドドーっと来て一気に
崩れる。足元でザパーンという音がした後、波の両端の音が届くのには数秒
かかる為、音源が左右に広がって行く。
 結局この日は大津港北側の埠頭へ行って寝た。翌朝、再び例の浜に戻って
みたが潮がひいたのか昨晩のような迫力はなくなっていた。

			5.○○林道
 浜で夜明けを待って、走り出したのは5時過ぎだった。港を離れ上流に向
かうと古い町並みが少し残っている。堤防沿いに進むとR336と交差する。
R336は十勝川を渡る橋が出来ていない為、ここで分断されている。その替わ
り、その上流に渡し舟が出ている。たしかに渡し舟乗場と公園で乗るような
ボートがあった。ボートの横にある「開発局」の文字がミスマッチだった。
 そのまま朝からJR広尾線幸福駅跡、大正駅跡、愛国駅跡、帯広札内川河
川敷き鉄橋跡等を見て回った。幸福ー愛国付近の道床はレール、枕木が外さ
れ砂利が残っていたので乗り入れてみたが4WDだと重すぎて砂利が沈んで
しまう。MTBあたりがちょうどいいんだと思う。
 帯広近辺は住宅地の中に道床が残り、鉄橋は河原には跡形もない。橋の付
け根のコンクリ跡の標記を見るとS62で河川敷占有許可が切れていた。

「帯広札内川河原まっぷ」
               川
---R38-------+------------=====-+----
             |           札  |
       LAWSON|     |     内 河
             |     |     川 原 
+++++[___]+++|+++根室本線++++++++++++
     帯広駅  | +   |     札  
             |  ++++++広   内 
             |     |  +尾  川
---大通り----+-----+  +線  札 
-------公園--+-----+    +   内 
             |消防署 鉄橋跡 川
            R236   |        札 
             |     |-----河 内 
-------------+-----+     原 川
             | [雪捨場]看板

 帯広から道道517で豊頃の「はるにれの樹」を目指す。更に豊頃からは浦幌
十勝川の河口をめざす。途中、十勝太チャシ跡から見下ろす展望が素晴らし
かったので、しばしスケッチに時間をとる。
 浦幌のロラン局の前には断崖の下に砂浜が広がる。そして嬉しい事に堤防の
所まで何とか車で降りて行く事ができた。再び断崖の上に戻り、断崖上の砂利
道を北に走る。広いフラットダートだ。途中には土が剥き出しになった丘があ
り、オフロードコースのようになっていた。4WDでヒルクライムしたあとが
縦横無人に着いている。オフ乗りなら是非寄って貰いたい。
 昆布刈石展望台から左折。霧止峠を通って浦幌町へ抜ける。この峠道は適度
なワインディングのダートが続き、とても楽しい。

 浦幌町から道道298に入り○○林道をめざす。留間温泉を過ぎダートに入って
3km程で正式な林道に入る。最初の13km程はこじんまりとした沢沿いの林道で
紅葉や立ち枯れの樹木の間を進む。21km地点あたりで落石が多くなり、乗用車
では困難な道になる。25km地点の交差点で道に迷う。標識はあるのだが、わか
りにくい。結局、右上の坂が目的の林道だった。この後も何度か交差点では、
悩む事になる。49km地点。さんざん林道を走っているのに未だ川を上っている。
地図を見るとたしかにそういう場所もある。この林道はいくつかの沢沿いの、
林道を横に走り繋いで行くのだ。
 カーブを回りこむと4つ足がこっちを見ていた。慌てて車をとめカメラを準
備している間にそれは林の間に逃げ込んでしまった。鹿だった。
 その後、さらに2匹の鹿と1匹のシマリスを見る事になる。ここからの峠越
えは少しきつくて落石だらけ。しかも道底が丸くなり川底を走ってるような気
分だった。ようやく林の陰に赤い橋影がチラチラしだし、R392に出たと思って
最後の峠を降りて行くとそれは鉄道橋だった。白糠線の跡だった。
 ようやく国道に出るとそこは上茶路の集落ではなかった。結局、どこかで
道を間違えてひどい道を走って来たのだ。まあ、鹿は見れたけど・・・
結局、66kmのダート区間を走った事になった。

R392沿いに残る白糠線の鉄橋を見ながら南下した。白糠の町の文房具兼書店で
「北海道・鉄道跡を紀行する 堀淳一 北海道新聞社」という本を手に入れる
事ができた。

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