■ MaSaNa's OUT DRIVER ■
『御前山周辺・青麻山林道』
 3月31日、久し振りに御前山の川原にでも行ってみようと家を出た。常陸大宮回りで、
御前山に向かうと、じき御前山のシンボル那珂川大橋の赤いトラスが見えて来た。橋を渡
って南側の川原をのぞいてみる。何台かのバンやファミリーカーが車をとめ川原ではバー
ベキュー等で騒いでいるので、どうしようとと迷っていると橋の下流の方を4WDが走っ
ているのが見えた。しかし、川の流れに阻まれ、この川原から直接には行けそうにない。
一旦、R123に戻ってちょっと走るとグランド駐車場入口の看板がある狭い道があった。ど
うやらこれが川原への下り口らしい。下りて行くと砂利敷の広い駐車場があり、その一角
から川原に下りる斜路がついていた。川原はコブシ大の石が転がるばかりだ。川端まで行
くと下流に枯れ沢越しに中洲に渡れるところがあったので行ってみた。とにかく、ここの
川原は広い。枯れ沢を下流に向かって走っていく。先の方では以前の増水時からの水がよ
どんでいる。川底は石コロで安定していたが、万が一の場合、他に4WDもいないので、
やめて最初の駐車場の下まで戻った。駐車場の横を小川が流れている。小川をザンブリと
越えて行くとデコボコ道がさらに続いていて、しばらく行くと草っ原に出た。グルグル回
った後で適当な坂道を上っていくと民家の横を通ってR123に出た。
  再び那珂川大橋まで戻ると、川の北岸にカヌーを積み込んだ4WDが数台止まっていた
。北岸の入り口は北岸の集落の民家の間にあった。狭い舗装された坂道を下りて行くと簡
単に川原に下りる事が出来た。大橋の下流側の川原はすぐ行き止まりになっていたが上流
側の川原はさっきと同様、コブシ大の石が延々と転がっている。ひとしきり川原を走りま
わったあとR123を北上した。国道を走っていても林道にありつけそうにないので御前山橋
をわたり対岸の旧道に出た。旧道をちょっといくと右カーブの外がわに工事現場のような
場所が見えたので入っていくと道は意外にも小川沿いに奥へと続いていた。この林道は数
百m程で行き止まりだった。更に旧道を北上して左に入った。しばらく行くと正面に砂利
道が現れた。どうも相川鉱泉に向かう近道らしい。しばらく行くとまた舗装路へでた。川
沿いの県道を走って行くと相川鉱泉の案内が出たので右折した。別に相川鉱泉に用がある
訳ではないので適当に走っていくと道はまたダートになった。しかし、ここは工事の為、
砂利が入っている。すぐにでも舗装されてしまうだろう。七会村方面に出るだろうと思っ
て走っていたが御前山青少年旅行村の看板があり、そのまま下りていくとまた那珂川沿い
にでた。この日は林道はあまり走れなかったが川原で楽しんだのでこれで帰る事にした。

 6月15日、久し振りに御前山方面に向かった。今回は川原には行かず、最初から林道中
心で行くつもりだ。那珂川大橋を渡り、集落を抜けて行くと右側の小高い丘の上に真新し
い御前山村の役場がある。この役場の下から奥に狭い道が続いていた。ここは全面舗装の
生活林道だった。ただ途中で別の林道と立体交差しているところがあったので下りていく
。下の道は今来た道をくぐった後、民家の先から下の沢まで草に覆われた道が続いていて
そこで終わっていた。元の林道に戻り、緒川村へと続く県道に出たところですこし北上す
ると右手の農道に上小瀬林道の標識が出ていた。入っていくと緒川という川を越えたとこ
ろに百観音公園という新しい公園があった。車をとめて休む。看板を見ると、昔々不治の
病にかかったある人がこの山に百の観音を立てたのが始まりで、その後、徳川家などの知
るところとなって保護されていたのが最近になってハイキングコースとして整備されたよ
うだ。山中にいくつもの観音が点在しているらしい。本当にハイキングするとしたら一日
がかりになりそうだ。林道という割には田圃の中をいく農道だ。しばらく行くと川東とい
う所で赤い橋に出た。川を渡っていって見るとちいさな集落に出た。大きな民家と古びた
看板の電気店に挟まれ県道側から見ると橋の入口には見えない。また元の県道に戻ったの
でちょっと北上して左に見えた山道に入っていく。まっすぐ行くと工事中の林道と交差し
て民家とお墓があるところまで行って行き止まりになってしまった。将来は現在工事中の
林道の方が舗装され、そちらが入り口になるのだろう。砂利が入っている工事中の林道を
奥へと進んだ。民家がとぎれたところで道は林の中へ入っていった。しばらく進むと両側
から草に覆われて道は終わってしまった。道は草に埋もれた古びた神社で終わっていた。
 少しバックして右に見えた林道に向かう。こちらはダートだった。草はきれいに刈りと
られているがmuが入って行くには少々狭い感じだ。林道はさんさんと日を浴びて草ムラ
の中を進んで行く。坂を上りきったところで向こうに軽トラが見えたのでこれで林道も終
わりかと思ったが近付いてみるとまだ林道は先に続いていた。結局、何度か林道もここま
でかと思いながら走り続けていくとやがて畑がそして民家が見えてきた。民家の庭先をそ
ーっと通り過ぎ、きついS字カーブを下りていくと眼下に広々とした畑地が広がった。
 畑の脇の用水路にそった道を走っていくと道は先程の県道に戻った。
 見覚えのあるSUZUKIの看板を横目に赤い橋の所まで戻り、橋を渡って次の林道に向かっ
た。地図によるとR394白岩峠の裏を行く林道があるのだ。赤い橋を渡ったところは変形十
字路になっている。右は先程来た上小瀬林道。正面は集落の中に消えて行く道。左は山に
上っていく林道。山肌にガードレールが見え隠れしている。左の道をグイグイ上って行く
と道は山の南斜面にそった緩やかな道に変わり左右には学校やら民家が数多くある。
  しばらく行くとその道はセンターラインのある広い道に突き当たってしまった。どうも
道を間違えたらしい。その広い道を北に向かうとR293との交差点に出た。地図には出てな
い道を通ってきてしまったようだ。多分、さっきの赤い橋から集落の中に入って行く道が
目的の林道であり、今来た部分はガードレールのある急な坂の部分が出来て最近開通した
新しい道なのだろう。R293を水戸方向に向かうと正面の丘の向こうに高層ビルが突如、見
えて来る。ロックヒルゴルフ場の建物だ。異様な眺めだ。その先に先頃オープンしたアリ
スの森という公園があり、広い駐車場があったのでここで改めて地図を見て検討する事に
した。手持ちの地図で現在地を確認した後、駐車場にある緒川村の観光案内板を見ている
と、『弥七の墓』という文字が目についた。水戸黄門の弥七の事だろう。ちょっと行って
みようとメモをとってそこを離れた。R293を北上する。道なりに右折してすぐのT字路を
左折する。メモ通りに来たら上小瀬小学校で道が終わっていた。とりあえずUターンする
と、小瀬城跡という字が目に入ってきた。本当に県北には到るところに山城がある。
 目的のT字路はR293をもう少し北上した所にあった。左折し、しばらく行くと右側に観
光案内らしい看板が立っていたので見ると『徳川〇〇が手紙を見たところ』とある。緒川
村というのは何かこういう物を卒先して保護しているのだろうか?この先見に行く『弥七
の墓』にも一瞬、不安を覚える。
  広い県道に出た。メモにはこの道は無かった。さらに行くと道路の脇に勝田・那珂湊と
書いた青い標識が転がっていた。左側のペンキ屋が置いたものだろう。まっすぐ進むと今
度はT字路に出た。既に地図上での現在地は把握できなくなっている。まぁ、いいやって
感じで南下する道を選んだ。そのうち長倉城跡何kmという標識が出た所でようやく現在地
を把握する事が出来た。しかし、左側に上っていく林道を見つけまた入っていってしまう
。峠に近い所では廃道に近い路面を見せるがわずか1.2km で別の舗装された林道に戻って
しまう。この林道を北上したらさっき『弥七の墓』を捜しながら走った道に戻った。しか
し、素直に逆戻りすればいいのに、松之草から上国長、下国長、小玉と農道をあちこちへ
走りつなぎ、とうとう赤い橋のあった集落に戻ってしまった。赤い橋まで行くと川原にお
ばさんの乗った軽トラックが下りているのが見えたので下り口を捜すと橋のすぐ下流に下
り口があった。しかし、ここは4WD ならともかく軽トラではたとえ4WD であっても下りら
れるものではない。多分おばさんはどこかの庭先から川原に下りたのだろう。
  川原で一休みしたあと、県道を北上していくと『弥七の墓』の矢印が見えた。何の事は
ないさっき出てきた林道の出口にそれはあった。林道を少し入った所で右折し、あとは道
なりに進むと上小瀬から来る道に繋がり、看板に注意しているとすぐに目的地はみつかっ
た。墓は県道から脇道に入った所の崖にあった。車は道の反対側の急ごしらえの駐車場に
置いた。弥七のモデルである松之草尖兵衛は江戸時代の盗賊であったが、投獄されたおり
光国公が殺すには惜しい男じゃと見逃した為、松之草は水戸近辺での盗賊達の活動を抑え
させたという話があるという。
  ようやく『弥七の墓』を見つけた僕はあの白岩峠の裏の林道を思いだし、県道を赤い橋
へと向けて急いだ。橋を渡ったところで今度は集落の間の狭い簡易舗装の道を入っていく
。右側を流れていた小川がなくなった所で道は林道らしくなってくる。何本か脇道があり
入って行ってみたくなるが明らかに行き止まりであり、草に覆われているのでmuでは、
ちと心苦しい。これ以上の林道行にはJIMNY かMTB あるいはoff bikeが必要だろう。
  大宮町に入った所の最初の集落で林道は終わっていた。ここから地図には出ていないゴ
ルフ場開発に伴って出来たと思われる新しい道でR293に出た。
  再びアリスの森の駐車場によって地図を広げた。日はまだ高い。これから回るとしたら
どこがよいだろうか?緒川村とその北の美和村には数多くの林道が存在するが、その多く
はピストンコースだ。その中で美和村から山方町へ抜ける青麻山林道が目についた。地図
で見ただけでその林道が沢と沢を分水嶺である峠で越えていく林道である事がよくわかる
。事実、青麻山林道は峠付近では海抜395mの青麻山の山頂のすぐそばを通っている。
  上小瀬でR293を離れ、緒川沿いの県道を上がっていく。緒川の清流と、いかにも日本的
な山村風景が左右に続いている。しっとりとした緑の山々と落ち着いた感じの農家がいか
にも平和な雰囲気だ。中桧沢の集落から青麻山に続く橋は地図に出ていなかったので、思
わず上桧沢まで行ってしまった。その代わり緒川の対岸の狭い道を走った御陰で、中郷と
いうところから1.1km の林道を見つける事ができた。しかし、ここは一直線に山肌を上っ
ていって広場で急に終わってしまうというイマイチな林道だった。
  青麻山林道は緒川を越える橋のたもとから民家の庭先をかすめるように山奥に続いてい
た。橋から緒川を見下ろすと川面の深緑がとてもきれいだ。
  林道の両側はやがて植林地になった。標識には『青麻山林道  巾3.6m  全長2586m S45.
12.25 開通』とある。しばらく上っていくうちに道がボコッとへっこんでいる所が目に入
った。そこを越えてから車を止めて見にいく。さっきの場所は蛇行した沢を越える橋だっ
た。ただし、沢を以前、土石流が埋めてしまったらしく沢には水が流れていない。橋の下
にも土が詰まっていた。それでも林の中に沢のあとが残ったままというのが面白い。
  林を抜けるとパッと上空が開け青空が顔を出した。車を止めてかけだして、ふりかえる
と案の定、今抜け出してきたトンネルのように鬱蒼とした林の中の林道と、日に照らされ
た杉の木のてっぺんの淡い緑の対比が美しい。
  林をぬけると回りは雑草ばかりになった。きっと国有林を抜けたので林道も終わりにな
ったのだろう。林道区間2586m にしてはもうそれ以上走っている。山方町側は町道か何か
なのだろう。道端にレックスが止まっていた。地元の人だった。ゆっくりと通りすぎ、見
晴らしのいい高台をしばらく走り続けると後はつづれおりの道を下りていってやがて川沿
いの集落に出た。あとは川沿いに下り、水郡線をくぐると国道118 号線に出るだけだった
。久し振りに山方町を通るとバイパスの途中に観光物産店とコンビニが出来ていた。
そこで最後の休憩をして、後は一気に帰った。

以上

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