「ささをの身体修理?」(2004/年末)
12月10日(金)
会社の帰りに、以前一緒に仕事をしていた方々との焼き鳥屋での会合がありまして参加。この日、私はスクータで来ていたので、もちろんアルコールの摂取はしていません。会合の後に、2次会として、何故か喫茶店へ、、、甘い物とコーヒーで2次会を済ませて、皆と別れてスクーター(250cc)で帰路に着く。
自宅まで、あと数百メートルの住宅街?の片側1車線の道で時間も22:30頃だったので交通量も少ない。
と、左の民家周辺から急に猫が私の走行している車線の真ん中に飛び出してきて、立ち止まった。
私は、飛び出してきた時点で、制動操作には入っていて、車線の真ん中で立ち止まられた時には、このまま最短で急制動が成功したとしても猫にはぶつかってしまうだろうと、身体が自然に何とか猫を避けようとブレーキングしながら若干右方向に流れようとしたら、フロントが軽くロックしたので右レバーをリリースするも、その段階でリアも滑っていて(フロントのロックも素直に解除されなかったような気がする)、車体も右側に結構速く傾いたので、この段階で転倒は覚悟。
私は、何故か?というか、意外と、というか、コケそうになった時って頭の中は冷静だったりします。
ですから、今回も猫の飛び出しにはビックリしましたが、その後の回避行動に入ってからは、まあ冷静だったような気がします。
ですから「こりゃ転倒するな」というのも、一つの見積りでした。
転倒の途中で右足を地面に着いた、スクーターはバンク角が浅く、直ぐにガリッとセンタースタンドが接地、その直後くらいからか?バイクは倒れて滑り始める。
この、滑りが、なかなか止まらない。
今から考えると、どうやら、プラスチックパーツで包まれたスクータは転倒すると、良く滑るようだ。
この辺が予想と違っていた為?形の上ではボテゴケ+α くらいを想定していた私は、身体全体としてスライディングする準備が出来ておらず、先に地面に着いた右足が、スクーターの滑りに引き摺られるような形になってしまい、全体としては股裂きのようになっているのに、足の甲が内側(アスファルト)に巻き込まれるような形になってしまって、このままだと、ちょっとした逆関節技を掛けられているような感じなので、「膝がイッてしまうなぁ」、などと考え、膝を曲げようとは思いましたが、履いていたスニーカーのグリップが良すぎて膝を曲げる事も出来ずでした。
自然に、股裂き状態から倒れないように前のめりに右手を地面に着いたが、こちらも少々引き摺られた。
もっと早くにバイクを放り出せば、、、、というか、自分から転がって被害の小さい受身をとる体制にすれば、よかったのでしょうが、前述のような体制だと、まだ頭の位置もそれなりに高く、身体も起きているので、被害の少なさそうなスライディングが出来ずに、身体が変に回転して大怪我しそうだったので、直ぐにバイクを投げ出す事が出来ませんでした。
というか、今から考えれば、スクーターが滑っている、この状態は普通のバイクの転倒よりも車体が起きていた状態なので左足がステップボードの中央の膨らみ部分に引っかかって、すんなりとバイクと身体を離すことが出来なかったんじゃないかとも思う。
最終的にはバイクと身体は離れて、私の身体は軽くシリモチを着いてお尻を中心に180度回転したくらいでフィニッシュでしたが、スクーターはまだ数メートル滑ってましたね。
何となくココまでの話は長そうですけど、転倒開始?から、ほんの1〜2秒の出来事の事です。
膝がイッちゃったかも、と少々不安でしたが、普通に立ち上がる事が出来て、膝の屈伸しても特に問題なし、痛みも大した事なし。猫を引っ掛けていない事を確認して深呼吸。
近所の女の人が窓から顔を出して、「大丈夫ですか?」と聞いてきたので「ええ、大丈夫です、猫が飛び出してきたもんで、、」と回答。
バイクは反対車線で倒れていて、ヘッドライトをこちらに向けている。
バイクを起こして、軽くバイクの状態をチェック。右レバーの先端が折れていて、転倒による外装の傷以外は特に問題なさそう。
セルを回しても直ぐにはエンジンはかからなかったが、転倒後にはよくある事なので、セルを回し続けるとエンジンは掛かった。
既に落ち着いてはいたが、バックミラーをいつもより念入りに調整しながら、さらに自分を落ち着かせてから、走り出した。
ウチに帰って、優しい?奥さんに転倒した事を報告。
部屋の明かりの下で、自分の身体の被害の再検証。右手の掌に擦り傷、右膝も軽く裂傷程度。。。あとは、膝の筋が軽く伸びたくらいかな、と、思っていた。
手袋も穴が開いていた、履いていたジーパンの膝も擦れていたが意外と大した事はなかった。
ウチに消毒薬と適当なサイズのバンソウコウが無かったので、ウチの優しい?奥さんが24H営業のドンキホーテまで買いに行ってくれた。
買って来てくれたキズアワワとガーゼで処置をして、保冷剤で膝を冷やした。
スニーカーは右足のソールの内側が、さぞや削れているだろうと思ったが、ソールの内側の損傷は大した事がなく、逆に甲の部分が擦れて、紐も千切れていた。アスファルトに引き摺られて、そこまで巻き込まれていたと言う事だろう。もっとも、本当に足の甲が路面に触るような形だとしたら、恐らく膝の関節が粉々になっている筈なので、靴は大きく巻き込まれたが、中味の足本体はそこまで巻き込まれていなかったのだろう。
この日は、保冷剤で膝を冷やして寝ることにして、日曜日にひかえている、GSF-ML&BOC合同HMSオフミに気持ちよく参加するために、翌日の土曜日に病院に行ってレントゲンの1枚でも撮ってもらって、「問題ないですよ」の一言をもらいに行こうと、優しい?奥さんと話していた。
12月11日(土)
翌日の午前中はBフレッツの工事に立ち会いまして、午後から優しい?奥さんと車で病院に、、、
あまり病院にはお世話になった事のない私は、昔、私の母親が息を引取った病院くらいしか知らなかったので、そこに行ってみると、整形外科は土曜日は午前中のみ、との事で、車に戻ってナビで他の病院を探すと、もっと自宅に近い病院を見つけることが出来てそこに向かう。
整形外科専門の病院で、待合室には人が沢山いた。しかも平均年齢は相当に高い。
この段階でも翌日のHMSに参加する気満々で楽しみにしていた。
喫煙所のスタンド型の灰皿をニーグリップしてみて、「うん、問題ない!」などと確認作業も行っていた。
今日は病院で「問題ないですよ」のお墨付きを頂くだけにきたようなものだから。。
物凄く待たされた後に、ようやく私の診察の順番が回ってきまして、私が事前に書いておいた初診のアンケートの内容を見ながら「バイクで転倒ですか、、、単独ですね?」と、先生が聞いてきたので「まあ単独なんですけど、飛び出してきた猫を避けようとしてなんです」などと、状況説明をしてから、症状の説明。
「膝は捻ったので多少は痛いが、大した事はないが、膝下に外側への力を加えると、カクッって、取れかかるようなイヤな感じはします、筋を伸ばしちゃったみたいで」と、医者の前で自己診断も交えて症状の説明をする。
お医者さんは私の膝を触診しながら「カクッって、取れそうな嫌なかんじねぇ」と呟いて、その後「これ、膝の内側の靭帯切れてるますよ!」とはっきりと言われてしまった。
私にとっては「靭帯」とは、今まで一度も痛めた事のない部位であり、「スジ」ならともかく「靭帯」と言われると凄くおおごとのような気がした上に、「切れてる」という中間的な状態表現ではない、余りにも白黒がはっきりした表現に凄くビックリした(^○^)
この日、私が受容できるお医者さんからの言葉の限度は「ちょっと・スジを・伸ばしてしまったようですね(^。^)」だったので、「靭帯が切れてる(・_・)」はレッドゾーンぶっちぎりの、ビックリ状態でした。
ビックリしつつも私の体内で「靭帯が切れている」などと、大事が発生しているとは直ぐには信じられず、心の中で「ウッソー」とも言っていた。
お医者さんは、「まず切れているのには間違いないでしょうが、レントゲンを撮って詳細を見てみましょう。」との事。
心の中でウッソーを叫んでいる私にとっては、レントゲンは願ってもない事で、本日の私のシナリオは「レントゲンを撮って大丈夫のお墨付きをもらう」の筈だったのだから。。。
少なからずや、誤診じゃねーの??とも思ってましたからね。
「レントゲンは、ストレスをかけた状態でないと、本当のところが見えてこないので、怖いかもしれませんが、カクッって、取れそうな嫌な感じのする方向に力を加えた状態で撮影させて頂きます」との事で、私にしてみれば拒否権がありそうで無いし、「はい」と了承して、覚悟を決めるしかないわけだ。
レントゲン室に行き、ストレスの掛からない状態で2枚撮影して、ストレスの掛かる状態で1枚撮影した。ストレスの掛かる状態とは、仰向けになっている私の右足を先生が持ち上げ、
膝外側側面を押しながら足首を外側に引っ張るというもので、本来間接は、そうは曲がりません、と言う方向に力を入れられる。痛くはないのだが、膝から下がカクンと取れてしまいそうで怖かった(・_・;)
レントゲンの結果は、ストレス掛からない状態では特に問題なし、とはいえ膝のお皿にササクレているところが発見されたりしましたが、今回とは無関係の古傷でしょう、との事。ストレスを掛けた写真では、膝上の骨と膝下の骨の隙間が均一ではなく、靭帯の内側が損傷しているからこうなるんだ、と、膝の模型を使って丁寧に教えてくれた。
んで、足を固めて動きを制限しておかないと、くっつこうとしている靭帯がくっつかなくなるから、ギブスで固めてしまいましょう、、あと、今回はレントゲンでしたが次回は靭帯の状態を詳細を調べる為にMRIも撮りますから、こういうケースではMRIはギブスで固めて動かない状態にして撮影するのが普通なんです、との事。
若干待たされた後にお医者さんと看護婦さんとでギブスを巻く作業に入った。ギブスをつけるのは我が人生で初めてだが、バイクに乗る人間だけあって、過去に友人のギブズ姿は何度も見てきたが、(大)昔は石膏だったが、最近は包帯のような物を水にぬらして、固定するべきところに巻きつけて乾いて硬化したら出来上がり、というのがあり、今回の私のギブスも後者の濡れ包帯方式だった。
過去友人が、この濡れ包帯方式のギブズを付けられていた時に、この素材には注目していた。バイクのカウルとかの補修に使えそうだからだが、まさか自分の身体がこいつのお世話になるとは思わなかった(・_・;)
ギブスを巻かれながらの会話:
先生:「こんな風になるんなら、猫を轢いてしまった方が良かったとか思っているんじゃないですか?」
ささを:「いえ、痛い目にあっても猫を轢かなかった自分を少しは褒めてやっても良いかな、なんて納得しようとしてますね」
看護婦:「私だったらこんな痛い目にあうんだったら、絶対に轢いちゃうわ」
先生:「コラコラ、ささをさんが納得しようとしている時に、そんな事言わないの!」
看護婦:「だって、この間の人も猫を避けて、骨折った人いたじゃないですか、あの人はそれでも猫を引っ掛けてしまったとか言っていたし、猫を避けようとした人って結構痛い目にあっている人が多いし、、、」
ささを:「そうなんですか?」
看護婦:「そうなのよ、、、、、、、、、、、、、、、、、、
と、この後、猫を避けようとして怪我をした人の事例を何件か聞かされた。この病院が救急病院ではないというのにも関係はあろうかと思うが、傾向としては普通の?事故よりも猫を避けた人のほうが、怪我の度合いがひどかったりする場合が多いらしい。
私も猫を避けようとして、亡くなられた方がいたとしても不思議はないだろうと思う。
また、今回は、猫を轢かなかった自分を少しは褒めてやっても良いかな、とは思うのですが、これは心情的なものであり、とっさに「轢いてしまえ!」と思うような自分よりはマシなのではないか?という程度の話であって、人から猫が飛び出してきたらどうしたら良いか?と問われれば、テクニカリーには、とにかく自分の身体を守る事を優先させる努力をするべき、と言いそうな気がしますし、きっとそれが正解なのではないかと思います。
ギブスも巻き終わり、先生から「松葉杖を出しますから、待合室で待っていてください」と言われ、診察室を出たら、待合室には優しい?奥さんがいて、私の変わり果てた姿を見て、相当驚いていた。
私からの第一声は「GSF-ML&BOC合同HMSオフミの幹事にキャンセルの電話をしておくれ!」だった。
その後、松葉杖の使い方をレクチャしてもらって、病院を出たが、この病院に着たのが13:00頃で病院を出たのは17:30頃と、随分長い時間病院にいたことになる。とにかく待ち時間が長かった(-_-;)
しばらくはギブスと付き合わなくてはならないので、何かと不自由になるので、その不自由さに慣れる必要がある。痛みは大した事は無いが、右膝が曲げられないだけでこうも不自由になるものかと驚いた。松葉杖はイマイチうまく使えない、というか上手く使えている状態だと歩行スピードがかなり遅いので、あっという間に使わなくした。痛みも大した事は無いので松葉杖なしで、右膝を固められたまま、そのまま歩くことにした。この方が松葉杖使うよりも早くあるける。
ウチに帰ってから、90リットルのゴミ袋で、右足を包んでガムテープで固めて防水してシャワーを浴びたりもした。何がどれくらい不都合になるのかは早めに確認しておいた方が良いですからね。でもシャワーを浴びるだけといっても中々に大変ではあった。
|
12月12日(日)------
12月13日(月)
前回の初心の時にレントゲンは取ったものの、詳細を調べる為にMRIの撮影を行った。
撮影には45分くらい掛かったが、私本人はベッドに寝ているだけなので、45分中、40分は眠っていた。
12月18日(土)
MRIの検査結果を先生から聞くことが出来た。
MRIとはテレビなどで見て知っていて、身体を輪切り状態で見ることが出来る凄い機械というのは客観てきな知識であるが、、、
いざ自分の足の輪切りや縦割り切りの写真を見せられると、その場でそのように切られいる分けでもないのに、痛そうな顔で撮影写真を見ている気が付いた。
MRIとは水分の多いものを白く、水分の少ないものを黒く写すそうな。
写真を目の前に先生は細かく説明してくれたが、どうやら靭帯は完全なる断裂ではなく損傷と言うことらしい、また、今回の靭帯の損傷に伴っての事らしいが、半月板も傷んでいる事もMRIの画像から見て取れるらしいが、こちらの傷みの度合いの詳細の検査は靭帯がくっついた後でないと出来ないらしい。
12月21日(火)
靭帯をくっつける為には患部を動かさない方が良いらしいが、いつまでもギブスで膝を固めていると、膝そのものが固まってしまい調子が悪いそうで、この日、ギブスを取って関節付きの装具に変えてもらった。
ギブスを外す前に、先生から「ギブスを外した経験はありますか?」と聞かれ、「付けたのも今回が初めてですから、当然外したこともありません」というと、先生が手にしている道具(見た感じは大き目の電動リュータの先端に丸ノコの刃のようなものが付いている)の刃を手の平に押し付けながら「コレ、身体は切れませんから、刃は回転せずに硬いものを振動で切る道具ですから」との事。とりあえずの使い道は思いつかなかったが、何となくこの道具が欲しくなった。
この道具でギブスの内側と外側を切って、パッカリと割ってギブスを外した。10日ぶりに私の右膝は外気に触れた。
外れたギブスを手で持ってみると、相当軽い事に驚いた。軽い事は知ってはいたが、ギブスを付けての10日間、特に会社で働いている時に午前中はあまり重さを感じないのだが午後はずっしりと重さを感じていたのでね。また、ギブスをつけていると身体全体が疲れやすいという傾向があることも感じていたので、軽いギブスも重たく感じていたんだろう。
看護婦さんが、バケツにお湯をためてギブスで隠れていた足を洗ってくれた。
次に、部屋を移って新しい装具の装着なのだが、急にギブスを外された右膝というか右足全体は、頼りない事この上なく、おっかなくて膝も曲げる事が出来ず、ほんの短い距離の移動にも時間が掛かってしまった。
新しい装具は、膝の左右側面にプレートとヒンジが付いており、膝の左右方向の動きを規制してくれて、本来の膝の動きは妨げないもので、ギブスよりもかなり自由度の高いものだった。
また、自分で脱着可能なので、お風呂なども随分と便利になった。
1月8日(土)
約1ヶ月ぶりの通院である。