1.どういう解法?
Swordfish の舞台は平行な3列。
その中に住む最大9マスが繰り広げる世界です。
それらのマス達はタテヨコに綺麗に整列し、その位置関係が凄まじい効果を発揮する!
図1-1、青色ヨコ3列を見てみましょう。
この3列において数字1の入り得るマスを探したら、次の状況だったとします。
- それぞれの青色ヨコ列において、数字1は★マスにしか入らない。
- 3つの★マスがタテにも並んでいる。
★がヨコに3つずつ並んでいるのは当たり前😊
でも、タテにも3つずつ並んでいる。
まさに網目のようにキッチリ整列しているんですね。
綺麗な整列です🥰
この位置関係が後になって効いていきます。
★マス達の並んだタテ3列、そこに大きな大きな結論が待っているんです。
さて、その結論とは何でしょう?
- 黄色タテ列において、★以外のマスに数字1は入らない。
図1-2 だと、×印のマスが該当します。
このマスに数字1を入れられなくなるんです。
ズラリと並んだバツ印!
総勢 18マス!
こんなにも数字1が入らなくなるという。
★以外の黄色マス、全滅!
なぜ、こういう結論になるんでしょう?
それを解説しましょう。
今、黄色タテ列を一旦忘れて、青色ヨコ列に試しに数字1を1個ずつ入れてみることにします。
さて、数字1の入れ方は何通りあるでしょう?
答えは6通りです。
全パターンをこのページに挙げてみました。図1-3 はその一例です。
実は、この6通りには共通点が1つある!
- どの黄色タテ列を見ても、数字1は★の位置にしか入っていない。
なんと、6パターンすべて、★以外の黄色マスに数字1は入っていない!
つまり、★以外の黄色マスに数字1が入る可能性はゼロなんですね。
図1-2 の結論通りになりましたね😄
これが Swordfish です。
上記の例では、9個の★がタテヨコ3列に整列していました。
しかし、本当は★がキッチリ9個並んでいる必要はありません。
例えば 図1-4 みたいな感じ。
実は、★が少なくても 前図1-3 と同じ論理展開ができるんです。
大事なのは、★マスがタテにもヨコにも整列しているということです。
それさえ満たしていれば、★の個数は関係ありません。
上記の例では、青色はヨコ列、黄色はタテ列でした。
もちろん、タテヨコ逆でも理屈は同じです。
タテヨコ逆の場合は、セクション2で実例を挙げて説明していきましょう。
このページは、単に Swordfish の概要を知りたいという方々へ向けて書いたものです。
Swordfish は Fish 系解法の一種ですが、Fish 系を深く理解するためには2つの概念を必ず知らなければいけません。
それは ベースセット と カバーセット です。
どの Fish 系解法もベースセットとカバーセットを使って論理展開していくので、この2セットを使いこなせれば Fish 系はもぅ完璧にわかります。
この2セットによる Swordfish を知りたい方々は ベースセットとカバーセット のページをご覧ください。
2.実際に使ってみよう!
では、実際の盤面で Swordfish を使ってみましょう。
図2-1 では、とあるマスに数字が判明します。
それを Swordfish で突き止めてみます。
ここでは数字1に注目して、1の入り得るマスを探してみます。
図2-2、数字1の入り得るマスを★で表しました。
ここで、青色のタテ3列に注目しましょう。
なんと、8個の★がタテヨコに整列しているんですね。
これはまさに Swordfish の使える形です。
使ってみましょう!
前セクションで示した結論を適用してみましょう。
こうなります。
- 黄色ヨコ列において、★以外のマスに数字1は入れられない。
図2-3、×印のマスに数字1を入れることができなくなりました。
んも〜、バツだらけ!
大量12マスも数字1をシャットアウトしてしまう。
これが Swordfish の力です。
うまく Swordfish が使えましたね!
もぅちょっと解き進めてみましょう。
前図2-3 では数字1の入らないマスが大量発生しました。
その上で、今度は緑色タテ列に注目します(図2-4)。
×印のマスに数字1が入らないことを踏まえると……
なんと、数字1を入れられるマスはたった1つだけ😄
図2-3 から 図2-4 への展開を見た通り、Swordfish は非常に効果的なんです。
3列にも刺さる解法だから、そりゃぁもぅ爽快感がハンパない!
ただ……、Swordfish って見つけるのがもぅもぅ大変で大変で😅
いい方法があれば教えてください😅
3.残り物にも Fish あり
ここからは余談です。
「残り物には福がある」ならぬ「残った列にも Fish はある」という話をしようと思います。
これは Swordfish に限った話ではないですが、このページで紹介します。
図3-1 を見てみましょう(部分図です)。
数字1の入り得るマスを探してみます。
すると、次の通りになりました。
- 数字1は★マスにしか入らない。
- その★マスは6行6列に分布している。
この6行と6列に名前を付けましょう。
ヨコ列はA〜F、タテ列はa〜fとしておきます。
実は、この全12列には大きな秘密があるんです。
今、ヨコ6列のうちA, C, Eの青色3列に注目してみます。
白色★マスの位置関係をよく見ると、Swordfish ができています。
ということは、こういう結論が得られるわけですね。
- b, d, fの黄色3列では、白色★以外の黄色マスに数字1を入れられない。
黄色 18マス、全滅!
……というわけですね。
A, C, E, b, d, fの6列がこの Swordfish に関わっている。
そういう形になりましたね。
では、今度は残りの6列に注目しましょう。
B, D, F, a, c, eの6列です。
特にタテ3列a, c, eを見てみると……、
あれ?
これも Swordfish になってるんじゃない?
なんと、この盤面には Swordfish がもう1つ存在した!
この Swordfish からは、こういう結論が得られます。
- B, D, Fの黄色3列では、白色★以外の黄色マスに数字1を入れられない。
いやぁ驚いた。
盤面に魚が1匹だけかと思いきや、2匹いた。
しかも、タテヨコ全12列がキッチリ6列ずつに分かれて Swordfish に関わっていた。
実は、これが Fish 系解法の大きな秘密なんです。
図3-1 の数字1の分布、全体は6行6列でした。
その中から、最初は3行3列の Swordfish が見つかりましたね。
ところが、残りの3行3列でも Swordfish が見つかったんです。
言わば「6が3と3に分かれた」恰好。
まるで 3+3=6 を体現するかのように2つの Swordfish が存在していたわけです。
今度は、具体的な盤面を使って解説しましょう。
図3-4 は X-Wing のページで紹介した盤面です。
数字9に着目したら「黄色2列に数字9は入らない」という結論が得られたのでした。
ここで、候補数字9の分布を見てみましょう。
9がそうです。
5行5列に分布していますね。その全10列に名前を付けます。
ヨコ列をA〜E、タテ列をa〜eとしておきましょう。
今、この盤面では X-Wing が発生しています。
その X-Wing は4列B, E, c, eが関わっているわけですね。
では、残りの6列はどうでしょう?
なんと!
Swordfish ができているじゃぁないですか!
驚いたことに、ヨコ3列A, C, Dでは Swordfish も発生していたのです。
この盤面にも Fish は2匹いた!
候補数字9の分布は5行5列。
最初は2行2列で X-Wing が見つかり、次は残り3行3列で Swordfish も見つかった。
まさに 2+3=5 を体現するかのように2つの Fish が存在していたんです。
この話はもっと一般化できます。
例えば、ごく稀ですが、Fish が3匹いるパターンもあり得ます。
候補数字nの分布が7行7列だったとして X-Wing, X-Wing, Swordfish と Fish が3匹いる、といった形です。
2+2+3=7 を体現しているんですね。
さらに驚くような話もご紹介。
X-Wing と Swordfish によって、それぞれ数字9を入れられないマスが生じました。
そのマスに×印を付けてみます(図3-6)。
見比べてみましょう。
まったく同じ位置に×印がある!
この X-Wing と Swordfish は言わば裏表の関係にあるわけですが、どちらの Fish を使っても結果は同じなんですね。
ということは、Swordfish よりも X-Wing を使う方が簡単で、効率も良さそうですね。
どうせ同じ結果になるのなら、簡単な方を使えば良い。
そういう考えが浮かびます。
ナンプレには列は9つしかありません。
だから、一方の Fish が5列以上だった場合、別の場所で4列以下の Fish ができていると言えますね。
ということは、わざわざ前者の方を考える必要はなく、後者の方を考えればサイズが小さくて済む。
ノーマルな Fish を使う場合、5列以上を考慮する必要はないわけなんですね。
更新履歴
- 2022. 2. 5.
- 新規公開。
- 2023. 3.31.
- ページ冒頭に難易度表記を追加。