1.残り物には法則がある
解法 Law of Leftovers を解くにあたって、知っておくべき法則が1つあります。
まずは、その説明をしましょう。
まずは、盤面内のブロック2個とヨコ2列で説明します。
こういう状況だとしましょう。
- ブロック2個とヨコ2列が交差している。
交差状況がわかるように、ブロックを青色で、ヨコ列を黄色で塗ってみます。
すると、2色が重なった部分は混ざって緑色になりました。
重ならなかった部分は青色や黄色のまま。
見た目には 青色・黄色・緑色 の3色に分かれていますね。
このうち、緑色は不要です。
青色と黄色、この2つが重要です。
この2領域には簡単かつ重要な法則があり、解く時にそれがとんでもなく役に立つんです。
一体どういう法則なのか、探ってみましょう。
青色+緑色 と 黄色+緑色、両者に入る数字について考えてみます。
まず、両者に入る数字の組み合わせはどちらも同じですね。
数字1~9が2個ずつです。
そして、緑色領域に入る15個の数字は両者共通です。
となると、残りの青色と黄色についても、これが成り立つんです。
- 青色と黄色、両者に入る数字の組み合わせは同じである。
青色+緑色 と 黄色+緑色 に入る数字は同じ。
緑色に入る数字も同じ。
じゃぁ、残りの青色と黄色に入る数字も同じになるね!
こういうわけです。
具体的なイメージは 図1-2 のような感じです。
どちらにも数字1, 5, 8が入ってますね!
青色領域と黄色領域に入るメンバーは必ず同じである。
実にわかりやすい法則です。
この関係は 2ブロック/2列 に限りません。
3ブロック/3列 や 4ブロック/4列 などでも成り立つんです。
いくつか例を挙げてみましょう。
例えば、図1-3 の右端。
- ブロック3個とタテ3列の交差。
おぉ、この場合もメンバーは同じ!
数字3, 4, 7ですね!
さらにもうひとつ。
図1-4 の下端。
- ブロック4個とヨコ4列の交差。
本当にものの見事にメンバーが同じです。
n個のブロック、そして、n個の列。
両者が交差している時、残りの部分(共通でない部分)には同じメンバーが入る。
これが解法 Law of Leftovers の核となる法則です。
この法則、思いのほか大活躍します!
例をいくつか挙げて、その活躍っぷりを解説することにしましょう。
2.あっちに入るのならこっちにも
青色&黄色に入るメンバーは同じ。
この事実からは、例えばこんなことが言えます。
青色領域に入った数字は必ず黄色領域にも入る。
逆も同様。
というわけで、解法 Law of Leftovers を使う際、共通でない2領域に入っているメンバーをまずは確認しましょう。
これは初歩的な解き方です。
図2-1、盤面上端に注目しましょう。
2ブロック&ヨコ2列の交差です。
青色にも黄色にも数字が入ってますが、この時点で既に次の2つがわかっちゃいますね!
- 青色領域のどこかに必ず数字8が入る。
- 黄色領域のどこかに必ず数字5が入る。
では、マスA, Bどっちに数字8が入るのだろう?
……と思って盤面を見たら、Bに8が入らないことは明らかでした😅
というわけで、マスAに数字8が確定します。
一方、数字5の方はどうでしょう?
図2-2、マスC, Dどちらかに数字5が入るはず。
残念ながら、この時点では5は確定しません。
しかし、CもDも同じブロックにあるというのが好都合。
こういうことが言えてしまう!
- 数字5の入れられないマスが大量発生する。
黄色領域の属するブロックがバツだらけ!(図2-2)
この後、右から2番目のタテ列を見ると、マスDに数字5が確定します。
別の場所でもやってみましょう。
前図2-2 からさらに解き進めて、今は 図2-3。
青色領域に必ず数字7が入るけど、その場所は決まりますね!
- マスAに数字7が確定する。
一方の領域に入ったメンバーは他方にも入る。
この考えは、初歩的ながらも非常に効果的です。
幾何学ナンプレの上級問題を解く時は、積極的に使っていきましょう😄
3.あっちに入らないのならこっちにも
青色&黄色に入るメンバーは同じ。
裏を返せば、入らないメンバーも同じです。
図3-1、ブロック3個とタテ3列の交差です。
青色3マスに注目しましょう。
既存の数字は3と7、そして候補数字は4, 6, 9ですね。
このことから、青色領域に可能な数字は3, 4, 6, 7, 9であると言えます。
当然、これは黄色領域に伝播します。
- 黄色領域に可能な数字も3, 4, 6, 7, 9のみである。
それを踏まえつつ、黄色領域に目をやると……。
候補数字について何か成り立ちそうですね!
そうです。
除去される候補数字があるんです。
- 黄色領域から候補数字1, 2, 5, 8を除去できる。
図3-2 だと、候補数字8を除去できました。
もう一例やってみましょう。
今度は4ブロック&タテ4列の交差です。
どうやらお互いの領域から候補数字を消せそうですね!
青色領域には候補数字8がない。
黄色領域には候補数字3がない。
3も8もメンバーにはなれなさそうだ……。
というわけで、結論は……、
- 青色領域から候補数字3を除去できる。
- 黄色領域から候補数字8を除去できる。
図3-4 だと、バツが4つ付きました。
メンバーになれない数字は除去されるんですね。
青色と黄色の関係性は本当に役に立つ!
メンバー外の数字をどんどん除去しちゃいましょう!
4.あっちの情報はこっちにも
青色&黄色に入るメンバーは同じ。
当然、メンバーにまつわる情報も同じです。
ブロック3個とヨコ3列の交差です。
青色領域と黄色領域は 図4-1 の通り。
特に、黄色の方はこういう状態です。
- 黄色領域は1個のブロックにのみ属している。
実は、この黄色領域が後に大きくはたらきます!
さて。
この状況からは、とある1マスに数字が確定します。
それを見つけるために、青色領域に既に入っている数字4に注目しましょう。
数字4が青色領域に入っているのだから、当然、黄色領域にも数字4が入るわけですね。
そして、さっき述べたように、黄色領域全体はブロック1個に属している。
だから、数字4についてこれが成り立つことになる。
- 黄色領域に数字4は1個しか入らない。
当然、この情報は青色領域へ伝播します。
青色領域にも数字4は1個しか入れられない。
ところが、数字4は既に入っている。
ということは……、
- 青色領域から候補数字4を除去できる。
こうなるんです。
図4-2 からは青色2マスにバツが付きますね。
そのお陰で数字2の確定するマスが見つかりました😄
こういうふうに、2つの領域では「各数字の個数」までもが共有されるんですね。
最初は青色から黄色へ「数字4が入るよ〜😃」と伝わった。
今度は逆に黄色から青色へ「それは1個だけだよ〜😆」と伝わった。
双方向の情報交換、これもまた解法 Law of Leftovers の面白い一端かもしれませんね。
更新履歴
- 2024. 8.31.
- 新規公開。