0.お花に見えますか?
Death Blossom という解法には、「茎」と呼ばれる1マスと「花びら」と呼ばれる複数の ALS が登場します。
そして、花びらはそれぞれ茎と候補数字1個でつながっています。
Death "Blossom" ということで、しょーもない話をひとつ。
すぐに解法 Death Blossom を知りたい方はセクション1に行っちゃってくださ〜い。
図0-1 を見てみましょう(部分図です)。
こういう状況になっています。
- 茎は中央の 緑色1マス。花びらは4つの ALS。
- 赤色 ALS と茎を結ぶ候補数字は2。同じタテ列に属する。
- 黄色 ALS と茎を結ぶ候補数字は4。同じヨコ列に属する。
- オレンジ色 ALS と茎を結ぶ候補数字は6。同じヨコ列に属する。
- 紫色 ALS と茎を結ぶ候補数字は8。同じタテ列に属する。
ちょうど茎の周りに花びらが付いていて、花を真正面から見ているかのよう! キレイなお花です🥰
図0-1 は作り物の Death Blossom で、この図からは何の結論も得られません。
でも、なんとな~くお花っぽい雰囲気は受け取ってもらえた……かな?
いかがでしょう?😄
1.どういう解法?
残念ながら、現実の Death Blossom は前セクションのような綺麗な形はしていません。
実際の Death Blossom はどういう解法なのか、解説していきましょう。
図1-1 を見てみましょう(部分図です)。
青色・赤色・緑色は ALS です。
- マスX が茎。花びらは3つの ALS。
- 青色 ALS と茎を結ぶ候補数字は2。すべて同じタテ列にある。
- 赤色 ALS と茎を結ぶ候補数字は7。すべて同じヨコ列にある。
- 緑色 ALS と茎を結ぶ候補数字は9。すべて同じタテ列にある。
- マスX のすべての候補数字は ALS と1対1で結ばれている。
- 3つの ALS には 候補数字6 が共通している。その候補数字は茎には存在していない。
んもービジュアル的に理解しちゃった方が早い!
マスXを中心に ALS 達がつながっている。
そんなイメージです。
ちなみに、各 ALS にある候補数字2, 7, 9は、実質 RCC と同じ物だと考えてかまいません。
実際、後に RCC と同様のはたらきをします。
……え? 全然お花に見えない?
現実なんてこんなモンさ😐
前図1-1 からどういう結論が得られるんでしょう?
こうなるんです。
- 3つの ALS が持つすべての候補数字6と列やブロックを共有するマスがある。そのマスに数字6は入らない。
図1-2 だと、×印のマスが該当します。
このマスは6の2マスと同じヨコ列に属し、6の2マスと同じブロックに属し、マス6と同じタテ列に属しています。
このマスに数字6は入らないというわけです。
なぜ、こういう結論になるんでしょう?
それは、候補数字6を持つ5マス66666のどこかに必ず数字6が入るからなんです。
それを解説しましょう。
マスXには候補数字2, 7, 9がありますね。
もちろん、そのうちのどれか1つが必ずマスXに入ります。
じゃぁ、実際に数字が入ったらどういう展開になるんでしょう?
まず、2が入ったと仮定してみる。
X=2だから、Pの2マスに2は入りません。
すると、青色 ALS は候補数字2を失って3国同盟(168の3国)に変化します。
よって、2マス6のどちらかに6が入ることになりますね。
次に、7が入ったと仮定してみる。
X=7だから、マスQに7は入りません。
すると、赤色 ALS は候補数字7を失って4国同盟(1256の4国)に変化します。
よって、2マス6のどちらかに6が入ることになります。
最後に、9が入ったと仮定してみる。
X=9だから、マスRに9は入りません。
すると、緑色 ALS は候補数字9を失って4国同盟(3468の4国)に変化します。
ただ、緑色内部で3国同盟(348の3国)もできちゃってるもんだから、6は1カ所にしか入れられません。
結局、何が言えるんでしょう?
マスXにどの数字が入ろうとも、こういう結果になるんです。
- 3つの ALS のどれかには必ず数字6が入る。
3つの ALS のどれかには必ず数字6が入る。
ここからさらに話を展開していきましょう。
候補数字6のあるマスをA〜Eとしておきます(図1-4)。
この5マスに対して、次の3つのうち最低1つが成り立つんです。
- マスA, Bのどちらかに数字6が入る。
- マスC, Dのどちらかに数字6が入る。
- マスEに数字6が入る。
これはもっと簡単に言えます。
こうなるんです。
- 5マスA〜Eのうち最低1カ所に数字6が入る。
そうなると、数字6を入れられないマスが生じます。
×印を付けたマスです(図1-5)。
このマスには次の特徴があります。
- 5マスA〜Eすべてと列やブロックを共有している。
×印のマスは2マスA, Bと同じヨコ列に属し、2マスC, Dと同じブロックに属し、マスEと同じタテ列に属しています。
前図1-4 で説明した通り66666のどこかに必ず数字6が入るのだから、×印マスには数字6を入れることはできない。
こういうわけなんです。
図1-2 の結論通りになりましたね😊
2.実際に使ってみよう!
実際の盤面で Death Blossom を使ってみましょう。
花びらが2枚・3枚の場合をそれぞれ紹介します。
2-1.花びら2枚のパターン
まずは1つめの例です。
図2-1 には、Death Blossom が使える箇所があります。
そのためには、茎である1マスと花びらを表す ALS を探さなければいけません。
さて、その茎と花びらはどこに潜んでいるでしょう?
茎と花びらは 図2-2 の通りです。
確認してみましょう。
こういう状況です。
- マスX が茎。花びらは2つの ALS。
- 青色 ALS と茎を結ぶ候補数字は1。すべて同じタテ列にある。
- 赤色 ALS と茎を結ぶ候補数字は9。すべて同じブロックにある。
- マスX の候補数字はすべて ALS と1対1に結ばれている。
- 2つの ALS には 候補数字4 が共通している。茎には候補数字4は存在していない。
青色&赤色 ALS が茎とつながっていますね。
2つの ALS は共通の候補数字を持っています。
……っていうか、ちっともお花に見えない😅
Death Blossom に見えないデス!(寒い)
この場合はどういう結論が得られるんでしょう?
こうなります。
- 候補数字4を除去できるマスが1つある。
図2-3、右下ブロックに存在します。×印を付けています。
この1マスから候補数字4を除去できるんです。
なぜこういう結論になるんでしょう?
それは、候補数字4を持つ3マス444のどこかに必ず数字4が入るからなんです。
それを解説しましょう。
マスXには候補数字1と9がありますね。
もちろん、どちらかが必ずマスXに入ります。
試しにそれぞれの数字が入ったと仮定してみましょう。
まず、1が入ったと仮定してみる。
X=1だから、マスPに1は入りません。
すると、青色 ALS は候補数字1を失って4国同盟(3458の4国)に変化します。
しかし、青色内部で3国同盟(358の3国)もできあがっている!
というわけで、残った1マスに4を入れるしかありません。
次に、9が入ったと仮定してみる。
X=9だから、マスQに9は入りません。
すると、赤色 ALS は候補数字9を失って3国同盟(247の3国)に変化し、赤色マスのどこかに4が入ることになりますね。
つまり、2マス4のどちらかに4が入ります。
両者を検証してみると、こういう結果になるんです。
- 青色・赤色 ALS のどちらかには必ず数字4が入る。
2つの ALS のどちらかには必ず数字4が入る。
前セクション同様に論理展開してみましょう。
候補数字4のあるマスをA〜Cとしておきます(図2-5)。
この3マスに対して、次のうち少なくとも一方が成り立つんです。
- マスAに数字4が入る。
- マスB, Cのどちらかに数字4が入る。
これはもっと簡単に言えますね。
こうなります。
- 3マスA〜Cのうち最低1カ所に数字4が入る。
そうなると、数字4を入れられないマスが生じます。
×印を付けた1マスです(図2-6)。
このマスには次の特徴があります。
- 3マスA〜Cすべてと列を共有している。
×印マスはマスAと同じタテ列に属し、同時に、2マスB, Cと同じヨコ列に属しています。
444のどこかに必ず数字4が入るのだから、×印マスには数字4を入れることはできない。
こういうわけなんです。
図2-3 の結論通りになりましたね😊
2-2.花びら3枚のパターン
例をもうひとつ挙げてみます。
今度は最初からお花を示します。
- マスX が茎。花びらは3つの ALS。
- 青色 ALS と茎を結ぶ候補数字は1。すべて同じヨコ列にある。
- 赤色 ALS と茎を結ぶ候補数字は6。すべて同じブロックにある。
- 緑色 ALS と茎を結ぶ候補数字は8。すべて同じタテ列にある。
- マスX の候補数字はすべて ALS と1対1に結ばれている。
- 3つの ALS には 候補数字9 が共通している。茎には候補数字9は存在していない。
3つの ALS が茎とつながっていますね。
各 ALS は共通の候補数字を持っています。
この場合はどういう結論が得られるんでしょう?
こうなります。
- 候補数字9を除去できるマスが1つある。
図2-3、右上ブロックに存在します。×印を付けています。
この1マスから候補数字9を除去できるんです。
なぜこういう結論になるんでしょう?
それは、候補数字9を持つ3マス999のどこかに必ず数字9が入るからなんです。
それを解説しましょう。
マスXには候補数字1, 6, 8がありますね。
もちろん、どれかが必ずマスXに入ります。
試しにそれぞれの数字が入ったと仮定してみましょう。
まず、1が入ったと仮定してみる。
X=1だから、マスPに1は入りません。
すると、青色 ALS は候補数字1を失って3国同盟(489の3国)に変化しま……っていうか、候補数字が少ないせいで3マスとも数字が確定しちゃいますね。0国同盟😊
とりあえず、9の確定するマスが現れました。
次に、6が入ったと仮定してみる。
X=6だから、Qの2マスに6は入りません。
すると、赤色 ALS は候補数字6を失って3国同盟(129の3国)に変化する……んですが、Qの2マスで2国同盟発生!
9の入り得るマスは1カ所しかなくなっちゃいました。
その1マスに9が確定します。
最後に、8が入ったと仮定してみる。
X=8だから、マスRに8は入りません。
すると、緑色 ALS は……青色 ALS と同じく2マスとも数字が確定します。これも0国同盟になった!
9の確定するマスが現れます。
全部検証してみると、こういう結果になりました。
- 3つの ALS のどれかには必ず数字9が入る。
3つの ALS のどれかには必ず数字9が入る。
これをマス視点で見るとこう言い換えられますね。
- 3マスA〜Cのどこかに必ず数字9が入る。
そうなると、数字9を入れられないマスが生じます。
×印を付けた1マスです(図2-10)。
このマスには次の特徴があります。
- 3マスA〜Cすべてと列を共有している。
×印マスはマスAと同じヨコ列に属し、同時に、2マスB, Cと同じタテ列に属しています。
999のどこかに必ず数字9が入るのだから、×印マスには数字9を入れることはできない。
こういうわけなんです。
図2-8 の結論通りになりましたね😊
更新履歴
- 2022. 2. 5.
- 新規公開。
- 2023. 3.31.
- ページ冒頭に難易度表記を追加。