【解法】数字の範囲は1〜9よ

 サムクロスの最も初歩的な解き方の1つです。
 サムクロスに使われる数字は1〜9だから、その範囲を超えた数字はもちろんNG。
 その理屈で解き進めていきます。
 (難易度:★)

1.ルール

 まずは、サムクロスのルールを説明しましょう。
 既にご存じの方はセクションに進んじゃってください😊

図 1-1

 サムクロスのルールは3つあります。
 次の【1】【2】【3】ですね。

サムクロスのルール
【1】
白マスには1〜9の数字が入る。
【2】
三角マスに入っている数字は、その右または下の区切られた一列に入る数字の合計を表す。
【3】
区切られた一列の中に同じ数字は2つ以上入らない。

 「区切られた一列」とは、白マスが連続している一列のことです。
 青色や赤色などで示した一列を指します。

 図1-1 はサムクロス完成図ですが、たしかにどの列もルールに従っていますね。
 数字の合計は正しく、各列の中の数字はすべて異なります。

 最初に空きマスだらけの盤面が与えられる。
 そして、ルールに沿って空きマスに数字を確定させ、盤面を完成させていく。
 サムクロスはそういうパズルです。

 そして。
 サムクロスを解くにあたって絶対に欠かせない物があります。
 それは 唯一パターン です。

2マス
合計3
: 1 2
合計4
: 1 3
合計16
: 7 9
合計17
: 8 9
3マス
合計6
: 1 2 3
合計7
: 1 2 4
合計23
: 6 8 9
合計24
: 7 8 9
4マス
合計10
: 1 2 3 4
合計11
: 1 2 3 5
合計29
: 5 7 8 9
合計30
: 6 7 8 9
5マス
合計15
: 1 2 3 4 5
合計16
: 1 2 3 4 6
合計34
: 4 6 7 8 9
合計35
: 5 6 7 8 9
6マス
合計21
: 1 2 3 4 5 6
合計22
: 1 2 3 4 5 7
合計38
: 3 5 6 7 8 9
合計39
: 4 5 6 7 8 9
7マス
合計28
: 1 2 3 4 5 6 7
合計29
: 1 2 3 4 5 6 8
合計41
: 2 4 5 6 7 8 9
合計42
: 3 4 5 6 7 8 9
8マス
合計36
: 1 2 3 4 5 6 7 8
合計37
: 1 2 3 4 5 6 7 9
合計38
: 1 2 3 4 5 6 8 9
合計39
: 1 2 3 4 5 7 8 9
合計40
: 1 2 3 4 6 7 8 9
合計41
: 1 2 3 5 6 7 8 9
合計42
: 1 2 4 5 6 7 8 9
合計43
: 1 3 4 5 6 7 8 9
合計44
: 2 3 4 5 6 7 8 9

 マス数と合計値によっては、マスに入り得る数字の組み合わせがただ1つに決まります。
 このことは非常に大きな手掛かりになるので、是非とも覚えておくべし!

 詳細は サムクロスのルール をご覧ください。

2.最も簡単な例・その1

 サムクロスの問題図には合計値しか書かれていません。
 が、実は、合計値によっては白マスに入る数字が制限されるんです。

図 2-1

 図2-1、上部の青色3マスを見てみましょう。
 2マス同士の交差で、こういう状況です。

  • タテ列・ヨコ列ともに2マスで構成されていて、その2列はマスAで交差している。
  • 一方は合計3の唯一パターン。他方は合計11である。
唯一パターン
2マス・合計3
: 1 2

 もしかしたら、ここでふと気付いた方々は居るかもしれない。
 「2マス合計3」は唯一パターンで、マスAには1か2しか入らない。
 なのに相手は 2マス合計11。

数字1や2の立場からすると、合計11はずいぶん大きい気がするなぁ……。

図 2-2

 実際その通りで、そこには結論が1つ生まれるんです。

  • マスAに数字2が確定する。

 なぜでしょう?
 それは、合計11の2マスには数字1を入れられないからです。
 もしマスAに1を入れてしまうと、その右隣のマスには10を入れなきゃいけなくなる!
 もちろんルール【1】はそんなの認めてくれません😅

サムクロスのルール
【1】
白マスには1〜9の数字が入る。
【2】
三角マスに入っている数字は、その右または下の区切られた一列に入る数字の合計を表す。
【3】
区切られた一列の中に同じ数字は2つ以上入らない。

 というわけで、上記の結論に至るんですね。
 その後は、残りの青色マスにも数字が確定。
 3マスすべて埋まりました😄

 実は、同じ理屈の成り立つ箇所があと2つあります。
 それも紹介しましょう。

図 2-3

 図2-3、青色6マスです。
 交差箇所をそれぞれB, Cとしておきましょう。

  • 中央付近は合計4(唯一パターン)と合計11の交差。
  • 左下隅は合計4(唯一パターン)と合計12の交差。
唯一パターン
2マス・合計4
: 1 3

 マスB, Cには最大でも3しか入らないのに、相手は合計11と12。
 やたら大きい。
 2マスとも数字が確定しそうですね。

図 2-4

 実際、確定します。

  • マスB, Cともに数字3が確定する。

 理由は 図2-2 と同じです。
 マスBやCに数字1を入れてしまうと、ルール【1】に抵触してしまうからですね。

サムクロスのルール
【1】
白マスには1〜9の数字が入る。
【2】
三角マスに入っている数字は、その右または下の区切られた一列に入る数字の合計を表す。
【3】
区切られた一列の中に同じ数字は2つ以上入らない。

 要は、「2マス合計11以上」という時点で、数字1はもぅ入れられないんですね。
 このように、大きな合計値に対しては数字の可能性が狭まります。
 こういうのもサムクロスを解く手掛かりになるんですね。

 2マス・合計3&11。
 2マス・合計4&11。
 2マス・合計4&12。
 この3つは初歩的な形です。
 できればこの形も覚えておきたい……が、覚えるのは大変かもしれない。

 もし覚えにくい時は、唯一パターン(合計3・合計4)の側から攻めてみるのも良し!
 交差箇所に入る数字は二択に絞られるから、「もし1だったら……?」「3だったら……?」と1個ずつ試してみる。
 これも1つの手です。

3.最も簡単な例・その2

 前セクションでは、小さい合計値の場合を解説しました。
 次は、大きい合計値で同じことをやってみましょう!

図 3-1

 図3-1、青色の3マスです。
 状況は次の通り。

  • 2マス同士の2列がマスAで交差している。
  • 一方は合計17の唯一パターン。他方は合計9である。
唯一パターン
2マス・合計17
: 8 9

 今度は前セクションとは逆です。
 「2マス合計17」は唯一パターンで、マスAには8か9しか入らない。
 なのに相手は 2マス合計9。

数字8や9の立場からすると、合計9は絶対小さいよなぁ。

 そんな感想を抱いてしまう。

図 3-2

 その感想通りの結論が待っています。

  • マスAに数字8が確定する。

 なぜこうなるんでしょう?
 それは、合計9の2マスに数字9を入れられないからです。
 もしマスAが9だと、その下のマスは0になってしまう!
 そんなんではルール【1】からお仕置きを食らっちゃう😅

サムクロスのルール
【1】
白マスには1〜9の数字が入る。
【2】
三角マスに入っている数字は、その右または下の区切られた一列に入る数字の合計を表す。
【3】
区切られた一列の中に同じ数字は2つ以上入らない。

 というわけで、上記の結論に至るんですね。
 その後は、残りの青色マスに1と9も確定。
 3マス綺麗に確定しました😄

 前セクションと同様に、同じ理屈の成り立つ箇所があと2つあります。
 それもご紹介。

図 3-3

 図2-3、青色6マスです。
 交差箇所をそれぞれB, Cとしておきましょう。

  • 右下隅は合計16(唯一パターン)と合計8の交差。
  • 左上隅は合計16(唯一パターン)と合計9の交差。
唯一パターン
2マス・合計16
: 7 9

 マスB, Cには最小でも7しか入らないのに、合計8や9は小さい。
 ここも数字確定の匂いがしています。

図 3-4

 まさにその匂い通り!

  • マスB, Cともに数字7が確定する。

 理由は 図2-2 と同じです。
 マスBやCに数字9を入れてしまうと、ルール【1】でマズいことになっちゃう……。

サムクロスのルール
【1】
白マスには1〜9の数字が入る。
【2】
三角マスに入っている数字は、その右または下の区切られた一列に入る数字の合計を表す。
【3】
区切られた一列の中に同じ数字は2つ以上入らない。

 当然すぎる話ですが、合計値以上の数字は入れられません。
 例えば「合計6」の列には6以上の数字はNGなのです。
 この話を知っているだけで、このセクションの話は簡単に理解できますね😄

 2マス・合計16&8。
 2マス・合計16&9。
 2マス・合計17&9。
 この3つも初歩的な形です。
 できればこの形も覚えておきたいところ。

 もし覚えにくい時は、唯一パターン(合計16・合計17)の側から攻めてみましょう!
 交差箇所の数字は二択に絞られるから、試しに数字を入れてみれば「あ、9だと合計を超えちゃうわ😅」とすぐにわかります。

4.唯一パターンのマスが多くても理屈は同じ

 この解法のキモは「大きすぎる/小さすぎる数字をうっかり入れると、隣のマスにはおかしな数字が入っちゃう😵」というところです。
 そして、このことは唯一パターン側の列が長くても成り立つんです。

図 4-1

 図4-1、2マスと3マスの列が交差しています。
 交差箇所をそれぞれA, Bとしましょう。
 どちらも3マス側は唯一パターンです。

  • 中央付近は合計12と合計6(唯一パターン)の交差。
  • 右下隅は合計8と合計23(唯一パターン)の交差。
唯一パターン
3マス・合計6
: 1 2 3
3マス・合計23
: 6 8 9

 3マスの列が出てきましたが、実は理屈は変わりません。
 マスAは3以下なのに、合計12はずいぶん大きい……。
 マスBは6以上なのに、合計8はやたら小さい……。

図 4-2

 結論はこうなります。

  • マスAに数字3が確定する。
  • マスBに数字6が確定する。

 理由は同じです。
 マスAが1や2だと、左隣のマスは10以上になっちゃう。
 マスBが8や9だと、下のマスは0以下になっちゃう。
 こういうわけですね。

図 4-3

 最後に例をもう2つ。
 図4-3 の2カ所です。

  • 右上隅は合計13と合計11(唯一パターン)の交差。
  • 左下は合計7と合計30(唯一パターン)の交差。
唯一パターン
4マス・合計11
: 1 2 3 5
4マス・合計30
: 6 7 8 9

 結論はこうなります。

  • 交差箇所のマスに数字5と6が確定する。

 説明は省略します。
 皆さんで確かめてみてください。
 あっ、もちろん、数字8と1も確定します😃

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