【解法】はみ出たマスに活路あり

 盤面の形によっては、合計値の合計を手掛かりにマスを数字で埋めることが可能です。
 この解法の使いどころは難しいですが、袋小路の箇所だとうまくいくかもしれません。
 (難易度:★★★★)

1.合計の合計、はみ出た1マスを解く

 通常、サムクロスは唯一パターンから解き始めます。
 ところが、まったく無関係なマスから話が進むという、不思議な展開も無くはない。

図 1-1

 図1-1 を見てみましょう。
 さて皆さん、いきなり「★マスに数字が決まるよ〜😀」なんて言ったら驚きますか?

  • ★マスに数字5が確定する。

 もちろん、これはウソではありません。
 実は、複数の合計値を使った風変わりな論法で数字5が決まるんです。
 その風変わりな論法をこれから紹介しましょう。

図 1-2

 図1-2、左上隅の部分図を2つ並べました。
 ★マスの数字を突き止める方法、実は1つある!

  • 青色8マスの合計から黄色7マスの合計を引く。

 青色8マスの合計は、ヨコ3列の合計を足せば求まる。
 黄色7マスの合計は、タテ3列の合計を足せば求まる。

  • 青色8マス : 3+23+4 = 30
  • 黄色7マス : 9+10+6 = 25

 あとは両者の差を計算すれば良い。
 30-25=5。
 ★マスに入る数字は5となるわけです。

図 1-3

 そういえば、図1-1 の盤面は対称形ですね。
 他の3マスにも同じ理屈が通用します。

  • さらに数字4, 9, 3も確定する。

 いや〜、こういう解き方もあるんですなぁ。

 サムクロスという名前だけあって、サムクロスは「合計」を頼りに解くパズルです。
 ところが、まさか「合計の合計」も頼りにできるとは!
 真にサムクロスらしい解き方と言えるでしょう。

 あっ。
 もしかして「合計の合計の合計」は……さすがにないか😅

2.複数はみ出ても解けることがある

 セクションでは、はみ出た1マスに数字が確定しました。
 複数のマスがはみ出た場合でも展開が進むことがあります。

図 2-1

 図2-1 を見てみましょう。
 まず結論を先に言っちゃいます。
 今度は、3マスに数字が確定します。

  • A=1, B=1, C=2が確定する。

 前セクションと同じ方法で、この結論を導きましょう。

図 2-2

 右上隅の部分図を2つ並べました(図2-2)。
 今回は、青色11マス黄色8マスの合計をそれぞれ計算します。

  • 青色 : 20+15+10 = 45
  • 黄色 : 14+20+7 = 41

 差は4でした。
 というわけで、こういうことが成り立ちます。

  • 3マスA, B, Cの合計は4である。
図 2-3

 3マスの合計は4。
 この数値、サムクロスに慣れている方ほど違和感が募ります。

えぇ……?
合計があまりにも小さすぎる!

 通常、合計だけでは3マスの数字を確定できません。
 だけど、ここまで合計が小さいと確定可能になるんです。

 実際、3以上の数字を1個でも入れてしまうと、3マスの合計はどうしても5以上になってしまう。
 それはNG。どのマスも2以下だとわかる。
 合計4にするためには 1+1+2=4 のパターンしかない。
 じゃぁ、あとは数字2をどのマスに置くかが問題だ。

  • 数字2はマスCに置くしかない。

 というわけで、A=1, B=1, C=2 と確定するわけですね。

 この方法は複数のマスが一挙に決まって爽快感はあるけれど、かなり使いにくいでしょうね。
 さっきの「3マス合計4」のように、とにかく極端すぎる合計値を見つける必要がありますもんね。
 こういう極端なギミックは、おそらく超難問にしかなさそう。
 超難問に苦しんでいる時にふと思い出して試してみてください😊

3.互いにはみ出ても解けることがある

 今までは青色領域だけがはみ出ていました。
 今度は、青色・黄色両方がはみ出ている場合を解説しましょう。

図 3-1

 図3-1 を見てみましょう。
 実は、この盤面では2マスに数字が確定します。

  • マスAに数字9が確定する。
  • マスBに数字1が確定する。

 前セクションより少しややこしいけれど、似たような理屈で進みます。
 では解説しましょう。

図 3-2

 右上隅の領域に青色と黄色で色をつけてみました。
 あっ、2色が重なった部分が緑色になっちゃってますね!
 マスA緑色マスB緑色、ともに9マスからなる2つの領域を考えましょう。

 では、2領域の数字の合計を求めてみます。

  • マスA緑色 = 17+30+3 = 50
  • マスB緑色 = 13+19+10 = 42

 ここで、引き算をしてみます。

(マスA緑色)-(マスB緑色) = 50-42 = 8

 左辺は 緑色 を足して引いてるから、打ち消し合って

  • マスAマスB = 8

 こうなるわけですね。

図 3-3

 ただ、残念ながら、前図3-2 の結果からは「ABの差は8である」ということしかわかりません。
 しかし、マスに入れられるのは1〜9のみ。
 このことに気が付くと、この2マスが一度に解明されるんです。

  • 差が8となる組み合わせはただ1つしかない。
    9-1=8 である。

 マスAは9しかない。
 マスBは1しかない。
 2マスが一挙に決まった!

 上記の論法でわかるのは、あくまで「AとBの数字の差」です。
 マスA, Bの数字が確定するわけではありません。
 ただ、差が大きいほど、A, Bに入る数字の範囲は狭くなります。
 そして、差が8の時はただ1つに確定するわけですね。

 この解法を使うと、離れた2マスの関係性が見えてくる。
 その関係性が威力を発揮して、そこから奇抜な解き方もできたりします。
 その一例をご紹介。

図 3-4

 図3-4、2マスC, Dの関係を探ってみましょう。
 同じように、合計の合計を計算します。

  • マスC緑色 = 12+11+25+9 = 57
  • マスD緑色 = 4+23+15+15 = 57

 値は同じ。
 ということは……、

  • マスCマスD = 0 となる。
    つまり、2マスC, Dに入る数字は同じである。

 この結果は非常に大きい!
 あとは、Cの属するタテ列・Dの属するヨコ列を見れば、どうやら活路が見えてきそうだ。

図 3-5

 まず、合計4によりマスDに入る数字は1と3しかありません。
 ということは、マスCも1か3に限定されますね。
 ところが、合計12によりマスCでは数字1が却下されてしまう!

 さぁ、もぅ結論が見えた。

  • マスC, Dともに数字3が確定する。

 まったく無関係に見えるマスC, Dがまるでオンラインのように繋がって、遠く離れた9と1が同時に決まる。
 なんとも不思議な解き味です。

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