【解法】長い列には逆の発想を

 通常、サムクロスを解く時、唯一パターンに対して「必ず使う数字の組み合わせ」を意識します。
 しかし、7マスや8マスもの長い列だと、それらの数字を覚えるだけでも大変!
 その場合は、逆に「使わない数字の組み合わせ」を考えると良いでしょう。
 (難易度:★★)

1.8マスの列の場合

図 1-1

 図1-1 を見てみましょう。
 状況はこんな感じです。

  • 2マスと8マスの2列がマスAで交差している。
  • どちらも唯一パターンである。
唯一パターン
2マス・合計4
: 1 3
8マス・合計42
: 1 2 4 5 6 7 8 9

 この場合、マスAに入る数字はすぐわかります。

  • マスAに数字1が確定する。

 これは初歩的解法『共通する数字はど〜れだ?』を使っただけなので、まぁ何てことのない解き方です。

 ただ、8マスの列に対して 図1-1 の理屈を素直に使っている方々は……あまり居ないでしょう。
 8マスはすごく長いですもんね。唯一パターンを一字一句覚えるのがもぅ面倒で面倒で😅
 だから、長い列に対しては「逆の発想」を使いこなしている方々が多いんじゃなかろうか。

図 1-2

 「逆の発想」とは、その列に入らない数字の方を意識するという考え方です。
 入らない数字を見つけるために、合計値45から引き算をします。

 数字1〜9の合計は45。
 対して、ヨコ列8マスの合計は42。
 合計45から起算すると、こういう勘定になりますね。

数字が1つ欠けて、合計は3減った。

 当然、欠けた数字は3だ。
 このことから、青色ヨコ列とはどういう列なのかが見えてくる。

  • 「8マス合計42」は、数字3の入らない列である。
図 1-3

 この発想は効果的です。
 なぜなら、マスAに数字3はNGだとわかったのだから!
 数字1しか可能性がなくなり、図1-1 の結論に至るんですね。

 実は、唯一パターンは「入る数字」だけでなく「入らない数字」も同時に示しています。

8マス・合計42
入る数字
: 1 2 4 5 6 7 8 9
入らない数字
: 3

 通常は、唯一パターンを覚える際は前者を頭に詰め込む。
 しかし、列が長い場合は後者の方が圧倒的に簡単なんですね。

 しかも、この発想を知っていると、8マスの唯一パターンを覚える必要がなくなります。
 8マスの合計は36〜44のどれかなので、45からその合計値を引き算すればOK。入らない数字がわかるんです。

 この「入らない方に着目する」という逆の発想、まじオススメ😁

図 1-4

 もう一例やってみましょう。
 図1-4、青色の2列です。
 45-36=9 だから、「8マス合計36」の青色タテ列は……、

8マス・合計36
入る数字
: 1 2 3 4 5 6 7 8
入らない数字
: 9

 青色タテ列に数字9は入らない。
 よって、青色ヨコ列に数字8と9が確定するんですね。

2.7マスの列の場合

 セクションでは、8マスの列について解説しました。
 次は、7マスの列で解説します。
 8マスより少しだけ複雑だけれど、本質的な理屈は変わりません。

図 2-1

 図2-1 を見てみましょう。
 状況はこんな感じです。

  • 2マスと7マスの2列がマスAで交差している。
  • どちらも唯一パターンである。
唯一パターン
2マス・合計4
: 1 3
7マス・合計42
: 3 4 5 6 7 8 9

 この場合も、マスAに入る数字は一目瞭然ですね!

  • マスAに数字3が確定する。

 この場合も、解法『共通する数字はど〜れだ?』を単に使っただけ。
 解き方は初歩の域を出ていません。

 でも、7マスの列に対しても 図2-1 の理屈が使われないことは多いかも。
 やっぱり7マスも長い。唯一パターンの把握は大変ですもんね。
 ここでも逆の発想で切り抜けちゃいましょう!

図 2-2

 前セクションと同様に、入らない数字に着目しましょう。
 数字1〜9の合計は45。
 対して、ヨコ列7マスの合計は42。
 合計45から起算すると、こういう勘定になっています。

数字が2つ欠けて、合計は3減った。

 では、その欠けた2つの数字は何と何だろう?
 この場合は「合計3」が大きなヒントになりますね。
 実は、欠けた数字も唯一パターンなんです。

欠けた数字も唯一パターン
数字2つ・合計3
: 1 2

 もぅ青色ヨコ列の姿が見えてきましたね。

  • 「7マス合計42」は、数字1と2の入らない列である。
図 2-3

 というわけで、マスAに数字1を入れられなくなった。
 もはや3しかなく、図2-1 の結論にたどり着きました。

 唯一パターンは「入る数字」だけではなく「入らない数字」も同時に示しています。

7マス・合計42
入る数字
: 3 4 5 6 7 8 9
入らない数字
: 1 2

 この場合も後者の方が簡単に覚えられますね!
 しかも、「後者も唯一パターンをなす」というところが大きなポイントです。
 入らない数字も具体的に判明し、それが大きな手掛かりへと繋がっていきますもんね。

 7マスの唯一パターンは「合計28, 29, 41, 42」の4種類。
 それらを見つけたら、逆の発想をしてみましょう!

図 2-4

 例をもう1つ。
 図2-4、青色の2列を見てみましょう。

 まずはヨコ列。
 これは簡単。唯一パターンですね。

唯一パターン
3マス・合計23
: 6 8 9

 一方、タテ列。
 45-28=17 で、合計が17である2つの数字はわかります。

欠けた数字の唯一パターン
数字2つ・合計17
: 8 9

 ということは、青色タテ列はこうなった。

  • 「7マス合計28」の列には数字8も9も入れられない。

 数字6, 8, 9のうち、交差箇所では8と9が却下されることになる。
 よって、数字6が確定するんですね(図4-4)。

3.唯一パターンには裏表の関係がある

 ここからは余談です。

 そういえば、図2-3 の「7マス合計42」を見てみると、入る数字も入らない数字も唯一パターンをなしていましたっけ。
 実は、唯一パターンには特殊な関係性があります。
 まぁ知っててもあんまり役には立たないけれど、軽いお話をひとつ😊

図 3-1

 図3-1、2つの青色列を見てみましょう。
 両者とも唯一パターンですね。
 数字の内訳は……、

2マス・合計4
入る数字
: 1 3
入らない数字
: 2 4 5 6 7 8 9
7マス・合計41
入る数字
: 2 4 5 6 7 8 9
入らない数字
: 1 3

あれ?
まったく逆になってる?

 まるで作ったかのような裏返し。
 面白い関係です😊

図 3-2

 もう1つ例を挙げてみます。
 図3-2、今度は4マスと5マスの唯一パターン。

4マス・合計11
入る数字
: 1 2 3 5
入らない数字
: 4 6 7 8 9
5マス・合計34
入る数字
: 4 6 7 8 9
入らない数字
: 1 2 3 5

あら!
またしても逆になってる!

 これも完全な裏返しです。

 実は、2〜7マスの唯一パターンは、すべて裏表の関係にあるんです。
 表にしてみました。
 もぅこ〜んな感じで綺麗に対応しています。

2マス ⇔ 7マス
合計3
: 1 2
合計42
: 3 4 5 6 7 8 9
合計4
: 1 3
合計41
: 2 4 5 6 7 8 9
合計16
: 7 9
合計29
: 1 2 3 4 5 6 8
合計17
: 8 9
合計28
: 1 2 3 4 5 6 7
3マス ⇔ 6マス
合計6
: 1 2 3
合計39
: 4 5 6 7 8 9
合計7
: 1 2 4
合計38
: 3 5 6 7 8 9
合計23
: 6 8 9
合計22
: 1 2 3 4 5 7
合計24
: 7 8 9
合計21
: 1 2 3 4 5 6
4マス ⇔ 5マス
合計10
: 1 2 3 4
合計35
: 5 6 7 8 9
合計11
: 1 2 3 5
合計34
: 4 6 7 8 9
合計29
: 5 7 8 9
合計16
: 1 2 3 4 6
合計30
: 6 7 8 9
合計15
: 1 2 3 4 5
※ 8マスと9マスには対応がありません。

 この12個の対応関係をそれぞれ見てみると、数字1〜9が綺麗に二分されてますね!
 そのため、どの対応もマス数の和は常に9であり、合計値の和は常に45になっている。
 なんとも美しい🥰

 まぁでも、これは当然と言えば当然の話ではある。
 唯一パターンとは「使う数字の組み合わせはただ1通り」という意味だけど、裏を返せば「使わない数字の組み合わせもただ1通り」と言えるんです。
 例えば、「4マス合計11」に使われない数字の組み合わせはただ1通りです(46789のみ)。
 対して、「5マス合計34」に使われる数字の組み合わせもただ1通りです(46789のみ)。
 一意の組み合わせが完全一致しているという点で、両者は本質的に同じだと言えるんですね。

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