【解法】偶数奇数も大きな手掛かり

 マスの数字は単なる数値だけでなく、偶奇性(偶数か奇数か)の面ではたらくこともあります。
 上級問題では、合計値との偶奇性をうまくリンクさせて展開を進めていくのも面白い手法です。
 (難易度:★★★★)

1.偶奇で数字が決まる!

図 1-1

 図1-1 を見てみましょう。
 とりあえず左下隅付近で2マスの数字が確定したところです。
 タテ列には2つの唯一パターン(合計11と16)があり、現在の状況はこんな感じ。

  • 合計11の方は既に数字2が入っているから、残りの数字はすべて奇数である。
  • 合計16の方は最初からすべて奇数である。

 メモ書きしてみると、たしかにこの2列は奇数ばっかりですね。
 実は、この状況は青色ヨコ列に大きく作用しています。
 マスAに数字が確定するんです。

  • マスAに数字1が確定する。

 なぜでしょう?

図 1-2

 青色ヨコ列の合計は奇数です。
 そして、3マスのうち2マスは奇数確定です。
 ということは……、

  • 残りの1マスも奇数でなきゃいけない。

 2つの奇数を足せば偶数になる。
 青色列の合計値は13。つまり奇数。13から偶数を引き算すれば残りは奇数。
 こういうわけですね。

 じゃぁ、どんな奇数が入るのか?
 そこで、マスAの属するタテ列に目を向ける。
 3マスで合計7。
 「124」の唯一パターンだった!

 というわけで、マスAに数字1が確定するんですね。

 こういうふうに、数字自体は確定せずとも偶奇性から手掛かりをつかめることがあるんです。
 図1-2 の後も解けるので進めてみましょう。

図 1-3

 マスAに数字1が確定した後、すぐ上の2マスに「24」とメモ書き。
 その後、今度は青色ヨコ列に注目しましょう!

 なんと、既に3マスの偶数奇数が決まってますね!
 奇・奇・偶。
 となると、最後の1マス(マスB)も偶数か奇数か決まりそうだ。

 青色列の合計値は21。奇数ですね。
 奇・奇・偶の合計は偶数だから、マスBは奇数でなければいけない。

  • マスBに数字9が確定する。

 ここでも数字の偶奇性が大活躍しましたね😄

2.偶奇偶奇……の果てにマス埋まる

 セクションでは、すぐに数字が確定しました。
 次は、もう少し複雑な形を紹介します。
 もうちょい偶奇を長く楽しみましょう😅

図 2-1

 図2-1、前セクションから少し解き進んだところです。
 次は左上を攻略したい!
 実は、数字の偶奇性を利用すると攻略できます。

 まずは結論を。

  • マスAに数字8が確定する。

 左上隅から攻めていきます。
 数字8確定まで、解説しましょう。

図 2-2

 とりあえず、左上隅については 図2-2 の通り偶数奇数が定まりますね。
 ここで、青色ヨコ列に注目してみます。

 「3マス合計8」は唯一パターンではないけれど、数字の組み合わせは2通りしかありません。
 「125」と「134」の2通りですね。
 実は、この両者には大きな共通点があるんです。

  • どちらも偶数は1個しかない。

 これを知った上で、あらためて青色ヨコ列を見てみましょう。
 ……あれ? 偶数の席がもぅ決まってるじゃん!
 なんと、残りの2席は奇数に決まっちゃいました。

図 2-3

 ここまで来たら、あと少し。
 今度は青色タテ列に注目してみます。
 合計値は偶数であり、2マスは奇数に確定している。
 ということは、最後の1マスには偶数を入れなきゃいけません。

 ここで「4マス合計29」のヨコ列が大きな決め手となる!
 「5789」の唯一パターンだけど、このうち偶数は……?

 というわけで、数字8が確定するんですね。

3.面倒くさい偶奇の矩形

 最後は、面倒くさい論理展開をご紹介。
 たぶん使いどころは無いかも😅

図 3-1

 図3-1、前セクションからさらに解き進んだところです。
 次は右下を攻略しよう!
 ここでも数字の偶奇性を利用して攻略できます。

 今回の結論は……、

  • ★マスに数字1が確定する。

 右下隅から攻略開始。
 数字1確定まで、解説しましょう。

図 3-2

 詳しい説明は省略しますが、右下隅から偶奇を記していくと 図3-2 の通りになりました。
 途中、次の理屈を使っています。

  • 「3マス合計20」のパターンは4通り。
    389、479、569、578。
    どれも偶数は1個のみ。

 ここで、青色の2×2領域を考えてみたい。

図 3-3

 ヨコ列ABの合計は3。奇数。
 ということは、このヨコ列に偶数・奇数は1個ずつ入る。

 タテ列ACも同様。
 このタテ列に偶数・奇数は1個ずつ入る。

 マスDの右隣は奇数だから、2マスCDの合計は奇数。
 2マスC, Dには偶数・奇数が1個ずつ入る。

 このことから、青色4マスの偶奇配置が見えてくる。
 実は、市松模様しかないんです。

 よって、2マスB, Dの合計は奇数だとわかります。

図 3-4

 B+D=奇数 である。
 それを踏まえて、青色タテ列を見てみましょう。

 青色タテ列の合計は偶数。
 そして、★マス以外の合計は B+D+偶=奇数。
 ということは……、

  • ★マスの数字は奇数でなければいけない。

 あとは、「3マス合計7」のヨコ列が最後の決め手!
 ★マスに数字1が確定することになるんです。

 ……と解説してて思ったけど、理屈がすっげぇメンドくせぇ😅
 実戦ではお目にかかることは……あるかなぁ😓
 超難問に苦戦している時にふと思い出して使ってみてください。

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