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・テーマ「七夕」

 夜空の向こうで、闇に沈んだ歯車は回りつづける。

 夜は外出禁止なのだ。何度も両親にいわれていたが、ニノは耐え切れずに家を飛び出していた。のっぺりとした黒に覆われる空には、光なんか一つも無くて、それでも諦めきれずに彼はずっと夜空を見上げていた。
 歯車も見えないほど夜、夜空はどれだけ目を凝らしても真っ暗で光なんか一つも無かった。
 誰もいない街道に一人、彼はじっと空を見上げている。一度身震いをしたら、一緒にクシャミがでた。
「“ホシ”なんか見えないよ、じぃちゃん」
 ――光輝く“ホシ”の川。
 夜空は本当は賑やかなのだと祖父が言っていた。だから夜空に光る“ホシ”がどうしても見たかった。夜は寂しいから。だけど、さすがに無理をしすぎたのか体中が冷え切っていた。
 と、そのとき視界の端に何か光るものが見えた。ニノは驚いて、視線を戻す。赤い点が、間違いなく夜空に一つ浮かんでいた。
「あれが、“ホシ”?」
 呟きながら、彼は違和感を覚える。なんだか、しだいに、赤い点が、大きく、なって、
「どけ、坊主! どかないと私がヒロインになっちまう! あー!」
 飛んできた。
 叫び声の意味に一瞬戸惑って、ニノの反応は遅れた。
「え?」
 そして、衝突した。
 一瞬視界にみえたのは、女の子だった気がする。気を失いながらニノは、そんなことを考えていた。

「おーい、生きてるか? 起きないといろいろ奪うぞ」
 その言葉に、ニノがを覚ます。のっぺりした夜空に、溶け込みそうな綺麗な黒い髪の毛と黒いメイド服。白い肌と、赤い唇。背負っている箒の茶色。髪の毛と違い闇夜に溶けないはっきりとした色がニノの目に焼きついた。
「ん? おお、生きてたか」
 ぶっきらぼうな言葉遣いで、抱きかかえていたニノに向かって笑いかける。驚いたままのニノを、彼女は地面に降ろしてまた笑った。
「大丈夫か? 夜に出歩いてるヤツがいるとはおもわなかったから、飛んできちゃってさ」
 飛んできた? 彼は首を傾げる。夜空から飛んでくるなんて、にわかに信じがたかった、そしてそれよりもあの光を見た。幼い頃からの夢だから、彼にはそれしか見えていない。
「君は、“ホシ”?」
 言葉に、一瞬空を飛んできた女の子は目を丸くする。
「干し? 干物なら家で干してきたけど?」
「干物じゃないよ、空にはね“ホシ”がいるんだって」
 その言葉に、女の子は一瞬何かを思い出そうと首をかしげた。数秒の間。夜風が二人の間を通り抜けていく。
「あー、星か。久しぶりに聞いたな。なんで、しってんだそんなの? 物知り博士か?」
 夜空に星なんかない。御伽噺にすらでてきやしないのだから、誰もしらない話だ。祖父が語って聞かせてくれた、遠い遠い昔の話。ニノの大好きなお話だ。
「えっとね――」
 言いかけた瞬間、視界がとんだ。何が起こったかわからないが、頬に熱い衝撃。彼は何もない夜空を見上げながら意識を失った。

 視界から子供が消失した。残ったのは、鈍い音とそれを追いかけるような摩擦音。
「こんな夜中に何をしている」
 少し、いらついたそんな声。目の前に立っているのは先ほどしゃべっていた少年ではなくて、体格のいい男が一人。
「おい!」
 男を無視し、彼女は少年を抱きかかえ上げる。意識はあるが、朦朧としているのか焦点があっていない。頬には、殴られた跡が痛々しく残っている。
「ガキが、夜は外出禁止令が出ているのをしらないのか」
「貴様……」
 ニノの無事を確認した彼女は、彼を地面に寝かせ立ち上がる。
「あ? なんだ、文句でもあるのか? 俺様は、この国の近衛兵さまだぞ?」
 ニヤニヤと、下卑た笑いをしながら男が詰め寄る。男のむせ返る酒の匂いに、女が一瞬目をしかめた。
「決まりが守れないようなガキには、お仕置きが必要なんっだよ!」
 瞬間、彼女の腹に拳が突き刺さる。
「ぐっ」
「てめぇも、お仕置きが必要そうだな? あ?」
 女の腹に手をめり込ませながら、男が笑う。見上げた顔は、気持ちの悪い笑いが張り付いていた。
「き、さ――」
 メイド服のエプロンに手を突っ込み、女がにらむ。逆の手で箒に手をかけ――
「ごめんなさい……、ごめんなさい」
 と、小さな泣くような声。ニノのつぶやく言葉に、男が視線を落とす。彼女も、その言葉に手を止めニノを見下ろした。意識が戻ったのか、男の足にすがり付き泣きながら懇願していた。
「あ? 謝ってすむのか? ガキはガキらしく家でママのおっぱいで吸ってろ」
 女を突き飛ばし、男は足を振り上げた。よろけた彼女の手は、間に合わない。振り下ろされる足の先には、彼の小さな体が。
 嫌な音がした。
「ぎゃっ」
 足を踏みつけられた痛みに、悲鳴がひとつ。
「てめぇっ!」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい――」
 踏みつけられても、彼は謝るのをやめなかった。何度も男の足にすがり付き、なおもその手を離そうとしない。
 それを見た彼女は、ニノをかばうようにして抱きかかえる。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
 背中を踏みつけられる衝撃に、体を揺らしながら、彼女は少年の言葉を聴いていた。


 いいにおいのする食卓は久しぶりだった。小さなテーブルには、腕を奮発したと言わんばかりの食事が埋め尽くさんばかりでテーブルを埋め尽くしている。
「本当にありがとうございます」
 食事が乗った皿をもって、女性が言った。その言葉に、彼女は目礼を返す。少年をかばい、けりつけられた背中は、まだ少々痛むのか背もたれに体を預けてはいない。代わりに箒が、彼女が座る椅子の背もたれに立てかけられていた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「え? あぁ、大丈夫。それより……」
「ニノ。ニノ ブレスト。お姉ちゃんは?」
 ニノと名乗った少年の頬はいまだ赤くはれている。歯が折れなかったのは幸いだったし、踏みつけられた足も骨は折れていなかったようだ。彼の表情は明るいものだった。それとも慣れているのか? 彼女はいやな想像を振り払うように一度頭をふった。
「ススキだ。それより、ニノ。体は――」
「大丈夫。じいちゃんに鍛えられたからね」
 そういって笑った顔は、少しだけ引きつっていた。
「ほんとにこの子は……ごめんなさいね。あれほど夜外に出るなっていったのに」
 そういって、ニノの母親も席に着く。三人がテーブルを囲むと小さいテーブルが際立って見える。
「何で禁止令でてるのに、外にでたのさ」
「“ホシ”が見たかったんだ。それに、明日は“タナバタ”だから」
「七夕ぁ?」
 そんな名を、今ここで聞くとは思っていなかったのかススキは目を丸くする。まだ、人が平らな世界ではなく、土くれの丸い球の上に住んでいたころの話だ。そんな過去の話、どうやったって普通の人間が知っているはずがない。
「どこでそんな話を?」
 ススキは顔をしかめた。
「この子の祖父、私の父ですが。彼は発掘業でして、そこで聞いたらしいのです。まだ、人間が遠い空の向こうに住んでいたころの話だそうで。誰も信じてはいないんですけどね、夜の空に光るモノがあったら、明るくて寝ていられませんでしょ? さぁさ、食べましょう」
 そういって、ニノの母が笑う。だが、それは真実だ。ススキは知っている、まだ人が空を飛び、宇宙という名の世界を飛び回っていたころの昔話。
 食事に手をつけながらススキは顔を上げた。
「で、その七夕って?」
「えっとね……、オリバとヒコホロボシが一年に一回“ホシ”の川を挟んで決闘するの!」
 盛大にこけた。
 そりゃ織姫と彦星だ、言いたい突込みを必死で堪えながら椅子からずり落ちた体を戻すススキ。どこがどう曲がったらそんな情報になるというのか。
「へ、へぇそりゃ見ものだな……でも空に星なんて」
「あるんだよ! お爺ちゃんがいってたもの、ぜったいホントだよ!」
 そうだ、そうだな。ススキは笑いながらうなずく。
「ススキねぇちゃん、信じてないでしょ!」
「いや、信じてるさ。こんな旨い飯を作ってくれる人の子だ、嘘なんかつかない。そうだろ?」
 ススキの言葉に、ニノは破顔した。歯車の上にのった世界。空はどこまでも光がなく、回り続ける太陽と呼ばれる光点は一日の半分、人々の頭上を回り続けている。星なんて、この世界には存在すらしていないのだ。それでも、ススキは笑った。
「そういえば、ススキさんはどうしてこんな小さな国に?」
「ああ、それは――」


 小さな国といえど、そこは十分に広い謁見の間で装飾はあまりにも派手だった。赤いじゅうたんの感触は、この上ならばどれだけ歩いても疲れないといわんばかりだったし、天井を支える柱には触ることを遠慮してしまいそうなほどの装飾が掘り込まれていた。
 目の前には、王と呼ばれる小男が玉座に座っている。威厳はあるが、油ぎった顔をみるだけでススキはため息が出そうだった。
「良くぞ来た、ウンジンの一番弟子ススキ。今日は式弾の作成で呼んだのだ、聞いているとは思うが」
 式術というのは、式弾と式具の二つさえそろえば、誰にでも使える。使い方や使いどころは確かに勉強しなければならないが、それだけだ。そこにセンスは必要ない。
 だが、式弾をつくることは容易なことではなかった。だからこうして、稀代の式術師であるウンジンの一番弟子ススキが呼び出されたのだ。
「式弾、刈安(かりやす)の作成ですね? 師より承っております」
「そうかそうか、ではすぐに取り掛かれ。なにせ刈安は、私の国でしか取れない貴重な色だ、作れるだけでも貴重な経験だからありがたく思え」
 その言葉に、ススキは反応しない。
「どちらで作成しましょうか? どこでも可能ですが」
「ふん、個室に入って刈安をくすねられても困る。今ここで、私が見ている前でやれ」
 そういって、小男はあごで従者に合図をする。すぐに、近衛兵らしき男が敷物をもってススキの元に駆け寄ってくる。体格のいい男。どこかで見た……。
「ああ、あんた昨日の」
 ススキの言葉に驚いたのか、男は一瞬足を止めた。昨日、ニノをけりつけススキをけりつけた男だった。
「ひ……あ……、昨日はウンジン様のお弟子様とは知らず申し訳ありません」
 だが、ススキは冷めた目で男を見ながら持ってきた敷物を奪い取る。
「あ……」
 ススキの返事を待っていたのか男は驚き後退った。
「下がっていただけませんか?」
 完璧な笑顔で、丁寧な口調でススキは男に微笑みかける。男のほうは、その言葉に顔を真っ赤にしながら、今にもつかみかかりそうな表情をしたが王の手前、しぶしぶ下がっていった。
「では、はじめます」
 背に背負っていた箒を赤い絨毯の上につきたて、ススキが呟いた。箒の前には、男が持ってきた敷物。
『吐普加身』
 振り上げ、そして絨毯の上に箒を振り下ろす。硬質な音が謁見の間に響いた。絨毯の上だというのにありえない音に、王が一瞬驚いたがススキは無視。
 振り下ろした箒を、振り上げ頭上で一振り。
『依身多女』
 彼女の上で、陣が淡い光をもって描き出される。モチーフは歯車。精巧なゼンマイ時計の内部のような入り組んだ歯車の陣が、ゆっくりと動き出す。
 すでに外は夕方。赤い夕日の光が謁見の間にあふれていた。
『寒言神尊利根陀見』
 陣が一瞬振るえ、彼女の周りにさらに同じような陣が現れた。その数八つ。
 ススキの額に汗が浮かんでいる。
『波羅伊玉意』
 刈安は、光をつかさどる触媒の中でも最も白に近い扱いづらい色だ。ススキが呼ばれたのは、この国の式術師では作れないからだろう。
『喜餘目出玉』
 陣が振るえ、まるで光がその場に集まるように渦巻いた。式弾に詰め込む媒体は粉のような形状をしている。渦巻いた光は、そのままススキの目の前で粉となって敷物の上に積もっていった。
 光が収まったころにはすでに目の前には山になった刈安。
 周りから、どよめきが上がった。ススキは、王を見上げる。
「ご苦労、下がってよい。報酬は、使いのものに後で届けさせる」
 ただ一言をいって、王は立ち上がり謁見の間から歩き去っていった。見送ったのは従者達とススキ。
 目の前の媒体を、数人の次女が丁寧に運んでいった。ススキはそれを見送らず、踵を返して謁見の間を後にする。
 くだらない。
 どうせ、あの式も戦争の道具にしかならないのだろう。ススキはうんざり顔で廊下を歩きいていた。
「ススキ様」
 振り返ると、昨日二ノをけった男が立っている。息を切らしてる様は、多分あの場から急いで追いかけてきたのだろう。ご苦労なことだ。
 ススキは、一瞥するとすぐに前を向いて歩き出す。話すことはひとつもない。
「ススキ様、お待ちください。昨日のことは、本当に申し訳ありませんでした」
 ススキの行く手をさえぎるように男が立ちはだかり、頭を下げる。
「邪魔だ」
「なっ……」
 男は驚いた顔で上体をあげる。見れば顔が真っ赤だった。
「これだけ人が謝っているのに!」
「謝る?」
 ススキの顔はどこまでも無表情だった。その表情と言葉に、男は一歩下がる。
「昨日貴様が踏みつけた子供、何度謝ったかしっているか?」
「う……」
 ススキは背負っていた箒を、まるで剣のように振った。男の喉に突き立つ箒。
「縊り殺してやる、と思ったがやめだ。今日は祭りの日だ。祭りだと教えてくれた、貴様が踏みつけた子供に感謝するといい。何度も何度も謝ってな」
 呆然と立ち尽くす男の横をススキは歩き去った。
 何も出来ず、立ち尽くして男は力なく倒れこむ。彼の背中で、重い扉が開く音がした。


 すでに夜。街道はやはり人気はなく、禁止令のことをいやでも思い出す静けさだった。
 双方を山に囲まれたこの国は風が強く、ススキの黒い髪の毛は風に乗って踊っていた。
「ススキねぇちゃん!」
 人気のいない街道を走ってくる軽い足音。
「ニノ。また外に出ているのか? 昨日みたいになっちまうぞ?」
 駆け寄ってきた子供に、ススキは笑う。頬の腫れはすでに引き、初めて会ったときのような笑顔が戻っていた。
 つよいな。ススキはニノを見て思う。そしてつい頭をなでそうになったが、きっと嫌がるだろうと手を引っ込めた。
「今日は“タナバタ”だもん! きっと今夜は空に“ホシ”の川が出来るんだよ」
 そういってニノは空を見上げた。のっぺりとした黒い夜空。
 黒は嫌いだ、ススキは髪の毛をいじりながら一緒に空を見上げる。黒い自分の髪の毛、黒いメイドの服、気が緩んだら空に溶けてしまいそうで――
「そうだ、食事の礼をしていなかった。ニノ、きみの母さんを呼んできてくれないか?」
「え? でも禁止令が……」
「今日は大丈夫さ、きっと廊下で土下座でもしてるだろ」
 ススキの言葉にニノは首を傾げたが、すぐにうなずいて呼んでくると小走りに去って言った。
 見送りながら、メイド服のエプロンに縫い付けられている式弾をひとつ。
 真新しい式弾の色は、
『懸河・展翅の刈安』
 展開された箒の柄は、まるでリボルバのシリンダ。そこに式弾を叩き込む。
 同時、まるで待っていたかというように箒は元の形に戻った。
 構成発動、光という光がススキの足元に広がり陣を形成。歯車の形をした陣は一気に街道に広がるとそのまま猛烈な勢いで国を覆う。
 光の奔流に、メイド服がはためく。風もない夜に光が吹き荒れた。

「母さん、母さん。ススキねぇちゃん待ってるよ」
 母の手を引きニノが街道に顔をだした。
「わかったから、わかったから」
 ニノの言葉に仕方なくついてくる母親。だが、たどり着いた街道にはすでにススキの姿はなかった。
「あれ……、おかしいな。ススキねぇちゃんいないや」
 ニノは見失ったのかときょろきょろと街道を見回していた。その横で、母親は静かに立っている。
「ねぇ、母さん?」
「……二ノ……あれ」
 立ちすくみ、空を指差し見上げている母親。ニノもそれにつられ空を見上げる。
「“ホシ”だ……」

 ――光輝く星の川。

 どこまでも続いている夜空に、一緒になって広がる大きな川が空を流れていた。




刈安:イネ科の植物で近江刈安の茎や葉を乾燥させたものから得た黄色染料で染めた色。:#FFFF80

>吐普加身依身多女寒言神尊利根陀見波羅伊玉意喜餘目出玉
 三種太祓(さんじゅのおおはらい)の祝詞:
  吐普加身依身多女(とほかみえみため)
  寒言神尊利根陀見(かんごんしんそんりこんたけん)
  波羅伊玉意喜餘目出玉(はらいたまひきよめいたまう)
 一言一句に祓いの呪術の意味合いが大きい祝詞です。「短い祝詞」というところに意味があります。

もっとくやしく:

 基本的に諸説入り混じっているので、細かい突っ込みはなしでお願いします。
 コレが、正しい考え方だというわけではなく、今回の構成は、下記の考え方より来ているもの、とだけ理解していただければ幸いです。

構成は、  吐普加身依身多女 …… 天津祓
      寒言神尊利根陀見 …… 国津祓
      波羅伊玉意喜餘目出玉 …… 蒼草祓

≫吐普加身依身多女
 「尊き神よ笑みたまえ」という言葉が語源だとされているが、口伝のため不確か。
 ほかにも一(ひー)二(ふー)三(み)四(よ)五(い)六(む)七(な)八(や)九(こ)十(と)。
 一は火、二は風、三は水、四は地、五六は穢れを忌むの意、七八は祓い除く、九十は「言(こと)」、即ち神勅を意味する

≫寒言神尊利根陀見
 易経の八卦が由来、かんごんしんそんりこんたけんは坎・艮・震・巽・離・坤・兌・乾
 坎はカンで水を表し、方角は北。
 艮はゴンで山を表し、方角は東北。
 震はシンで雷を表し方角は東。
 巽はソンは風で方角は東南。
 離はリで火を表し方角は南。
 坤はコンで地を表し方角は西南。
 兌はダで沢を表し方角は西。
 乾はケンで天を表し方角は西北。

 八卦は太極(陰陽変化の根源)から分化した陰陽を各々、老陽(乾
兌)・少陰(離震)・少陽(巽坎)・老陰(艮坤)に分け、天地とそれ
ぞれの自然現象にあてはめたもの。根元的な天地自然と認識である。
 式術は世界を塗りつぶす概念からきているため、根源的な天地自然を湛える歌が適切かと思い今回三種太祓を採用いたしました。描写にある、「彼女の周りにさらに同じような陣が現れた――」、頭上一陣をのぞいた、八方八陣の構成は太祓の構成によるものです。

 っと、ここまで取材して時間切れです。





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