MAGiC TOUCH - MAGiCTalk#03
*Story 03 ”Ys2よりも、Ysの曲が好き” (Apr4,2001)
 初めてPC88のYs(1987)の曲を聴いたときには、心のそこからの驚きを隠しきれなかった。いや、どちらかというと、Ys以前、ROMANCIA(1986)のオープニングをはじめて聞いたときだったかもしれない(どちらも日本ファルコム製)。

 あの当時、なぜか私の周りにはPC8801Userはいなかった。周りはすべてSHARP User。有る意味特殊な環境だったのかもしれない。本人はSHARPといっても、異端児のMZ-2500であった。
 そのころ、X1Userの友人に連れられ某明大前のコピー屋さん(昔は、普通にあったんだけどね・・・)によく連れて行かれた。そこに、DEMOとしておいてあったのがPC88版のROMANCIA。キーボードとかがつながっていなかったので、ゲーム内容はわからなかったが、あの音楽はPC8801(YM-2203)の音というよりも、歌謡曲にも負けないくらいの出来であった。友人が新しいゲームを物色している間、ずっとPC88の前で耳を澄ましていたことは、いまだに鮮烈に覚えている。この作曲者が、当時マイコンBASICマガジンのゲーム音楽コーナーを担当していたYK-2(古代祐三)氏であったと知るのは、かなり後のことであった。

 ロマンシアのことがあってからすこししたころ、今度はマニアックタイプではないRPGをファルコムが作っているらしいという情報を仕入れる。曲もいいらしい(そりゃ、ROMANCIAがあれだけよかったんだから、あたりまえだ)。相変わらずPC88とは無縁な生活を送っていたのだが、友人にこのことを告げ、Ys出たらすぐに曲が聞きたいと願う。このころ、友人のX1にも、FM音源ボードがささったころで、発売を待ちに待っていました。で・・・、発売日。友人宅に遊びに行く。
 ジャーン、買ってきたぜYs。んじゃ早速聞いてみるかね。FM音源ボードにつながれた小さいアンプのボリュームを上げ、5inchDiskをX1にセットして、電源を入れる。ワクワク。ドキドキ。

 え?ねぇねぇ、このタイトルの曲、本体から流れてないかい?たしかに、アンプの音量をいじっても音の変化はない。PSGで流れる曲(Title:Open your Hart)は、確かに今までのゲームの曲より、きれいな音をしていた。きっと、オープニングだけこうなんだろうなぁ。曲を聞き終えた後、ゲーム本編に。しかし結果は・・・・。そう、X1は全編PSGだったのである。マニュアルをすべて読んでも、X1をFM音源対応にする術は書いていなかったのである。涙。

 涙をのんだ数日後、ほかの友人から、1本のカセットテープを渡される。
「ねぇ、これきいてみてよ。すごいから。PC88の友人から録音してもらったんだけど、すごいんだよ」

家に帰り、ラジカセに入れ聞いてみる。す・げ・えぇ・・。ひとまずダビング(笑い)

 あれ?でもこれどっかで聴いたな・・・。次の日友人にテープを返して、詳細をきいてみる。

「あれさ、Ysってゲームの曲らしいんだけど、A面に入っていたのが、ゲーム中の曲でさ、B面に入ってたのが、未使用曲らしいんだわ」
「え?だって未使用たって、B面丸々入ってたじゃない?」
「そう。それも、いい曲ばかりだったでしょ?」
「まぢかいな・・・」

 これらの件を忘れていたころ、1枚のCDが発売される。MUSIC FROM Ysである。いままでは、友人からダビングしたテープだったのがCDに格上げである(笑い)。

 とにかく古代さんのYM2203(FM音源)の使い方のすごさは、その「場」に合う音色作りと、PSGの重ねかたにつきる。もちろん、音色だけではなくその楽曲のすばらしさもある。あの当時、BASICからいじれる範囲を超えた音源の使い方は、驚愕であった。
 それもそのはず、専用の音源ドライバーを駆使していたのだから・・・。あのころはそれがどういうことかよくわからなかったが、ドライバーの威力は絶大である。それに加え古代氏の才能。

 あのころ、最低でも1日CDを4Loop位きいていたっけ。

 1年後、Ys2が発売された。たしかに、音楽・音色ともどもYsにくらべ格段によくなっていた。が、やはりYsのときのインパクトにはかなわなかった気がする。
 でも、Ys2もゲーム史上に残る名曲があると思います。今聞きなおしてみると、YsにくらべYs2の音色の使い方は、すばらしいものがありますよね。


BGMにYs2・オープニングを聴きながら執筆。

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