*Story 02 ”真のLA音源使い”(Mar19,2001) | ||
初めてこの音色を聞いたのは高校時代友人のA平くんに聴かされたカセットテープに録音されたソーサリアンのオープニングのMIDIバージョンであった。この時の衝撃といったら、初めてX68Kをパソコンサンデーで見たとき以上だったといまだに覚えている。 「ねぇ、これ、何かのCDに入っているアレンジバージョン?」 「いや、MIDI」 「うぞ・・、こんなに音がいいの?このピアノほんものみたいじゃない」 「うん。RolandのCM64ってのを買ったんだ。それのPCM音なんだよ。そのピアノ」 「・・・お願い、ほかの曲も聴かせて。今日遊びにいっていい?」 この当時、X68000でOPMでMMLをうっていたあんどには、この音色は計り知れない感動を与えたのであった。その後彼の家にいそいそと遊びに行き、ほかにもいくつかのデータを聴かせてもらった。 「これ1台あれば、バンドなんかいらんわな」 それほどまでに強烈であった。それからほどなくして、あんどもCM64を購入。確か10万近くした覚えがある。秋葉原の九十九で1時間ほど悩んだあげく購入したっけ。 購入した後はMDDというPDSなMMLでMIDI音源を制御できるドライバーで今まで作ったOPM用のデータを片っ端からCM64用に移植した。そのころ、某PEKIN-NETでるいさんと出会う(「壱乃章」参照のこと)。いろいろと細かいところでアドバイスなどをもらいながら、LA音源をいじっていた。 永田氏(「壱乃章」参照のこと)に初めて電波新聞社に連れ込まれたときのこと、某ベーマガ編集長と一緒に居たのはRolandのかただった。うっ、何であたしゃこんな場所にいるんだろう?そう思う間もなくRolandのかたから質問をされる。 「CM64などで曲作りをされているようですが(CM64は)どうですか?」 うぅ、そうきたか・・・ 「そうですね、LAで足りない所はPCMで補えるのでいいと思います。ただし、送信するMIDIデータが多くなるともたつきが露骨に現れて、そこがむづかしいですね。それとドラムが弱いので拡張カードを使っているのですが、たまに途中で鳴らなくなったり。正常に演奏し終わることもあるので、何が悪いのか特定できないでいます」 「そうですか、ドラムカードの件は後で調べてみます。ほかにもなにかありますか?」 「LA音源は自由な音作りが可能で、たのしいです。でも、さすがにシステムサコムさんのような厚みのある音はむづかしいですが」 「サコムさん・・。斎藤さんですね。本当にあの人の音色はすばらしいです。LAを使いこなされていますしね。」 (あ、るいさんのことしっているんだ・・・) それほどまでにるいさんの作る音色は綺麗でした。でも、当時のサコムの一連の曲(CM64用曲データ)を聞き直してみると、MT32(LA)をベースに作ったデータに、無理やりCM32PのPCMを重ねた曲が多く、ちょっとくるしいかも。 このあたりは、あとで斎藤さんに聞いたところ、FM/MIDIでやったので時間的に仕方なかったとおっしゃっていました。 このLA音源はFM音源ほどのややこしさはなく、どちらかといえば(このころの)一昔前のアナログ音源にかなり似ている。音色のアタックなどは、PCMが用意されていて、たとえばピアノの音ならば、アタックはピアノのPCM、リリース音はLAで重ねるような音の作り方を基本としている。パーシャルという概念があり、LA同士を重ねて音に厚みを持たせたり、うねりを出したりと、多彩な音源であった。難点はリバーブの性能が悪く「音を重ねる」=「音がくすむ」という点。また、前述したとおり送信するデータが多くなるともたつきが発生してしまうこと。 RolandのSC55(MT32/CM64の後継機種)が発表になったときは、すぐに飛びついたのだけれども、CM64よりもチープになったPCM、ほとんどエデットすることができなくなった音源部、これには落胆しました。ちょうど買った日の帰りに某永田宅に遊びにいったので早速永田X68000と接続して、音を鳴らしてみた。 「あんどくん、ピアノの音ならして」 「うぃ。音色番号は・・1番からっすね。んぢゃ、これで(ポちっと)」 ・・・・ 「なに?これ?おもちゃのピアノ?」 「あれ?グランドピアノとかのはずですよ」 「CM64はよかったのになぁ、これじゃだめだね」 「そうですなぁ(ってことは、ほかの音色も期待できんわなぁ)」 結局、買って半年も経たないうちに売り払いました。 最近巷では携帯電話で着メロ10和音とかいって喜んでいるようだけど、二昔前の音源に逆戻りしていることに一般の方は気づいていないんだろうなぁ。だいたいいくら音源が良くてもあのスピーカじゃ・・・ BGMにSystemSACOM ユフォリーを聴きながら、PowerBook550cにて執筆 |
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