MAGiC TOUCH - MAGiCTalk#00
*Story 00 "あんど"と"ゲーム音楽" (Feb1,2001)
 このページではあんどと音楽との関係について書きたいと思います。もともと音楽は好きでした。でも、クラッシックを聞いたりとか、歌謡曲を聞いたりとかではなく、ごく普通の人の音楽とのふれあいとは、ちょっと違いっていたかもしれません。
  ゲームミュージックと出会ったのは、小学校のころです。巷ではTAITOのインベーダゲームからやっと脱却し、NAMCOのギャラクシアンからゼビウスへと移り始めたころだと思います。家庭では、NINTENDOのファミリーコンピュータが流行りだしたころです。ちょうどそのころ、あんどはNECのPC6001というパソコンを買ってもらいました。うちの親も変わっていて、「これからはこんぴゅーたの時代だろう」ということで、当時8万もしたマシンを買ってもらいました。よくよく考えるとただ単に、「ファミコンを買うとソフトもかわにゃならん・・と、言うことは、ファミコンを買い与えると、その後ソフト代もかかる」と思ったのかもしれませんね(笑い)。
 ほかの友達がファミコンで遊んでいるあいだも、あんどは電波新聞社のマイコンBASICマガジンの機械語リストと格闘していたわけです。あの当時、ベーマガのリストをよく入力してましたね。で、そのときです。あるゲーム内で鳴っていた音楽が、そのまんまNAMCOのDigDugのスタート音だったのです。このときは感動しましたね。PLAY"l8o4abcdefgo5c"で、音が鳴る事がこのときわかったわけです。ちなみに、この当時、BASICの勉強のために買った「こんにちわマイコン(すがやみつる著)」。この本があんどの将来を決定付けました(詳しくは次回以降で)。
 このころ、友人に一本の音楽テープを貸してもらいました。これが今の自分の音楽の原点かもしれません。借りたのは、TheVideoGameMusic。アルファレコードより出ていたNAMCOのゲームの曲が入っているテープです。XEVIOUSに始まり、TheTowerOfDruagaまで、NAMCOの黄金時代を築いた名ゲームの曲が網羅されていました。とにかく朝から晩までよく聞きつづけたものです。

 それから時代は経ち、中学生のときにはPC6001からSHARPのMZ2500に乗り換えました。このときも、MZ2500という市販ゲームの少ないマシンを選択したことにより、「無い物は作る!」という、正しいSHARP USERの道を歩いていました。このころになると、ベーマガでもゲームミュージックのコーナが登場します。YK-2氏や、YuYou氏が活躍していました。めちゃくちゃあこがれたものです。しかし、MZ2500用の曲データが載ることは少なく、よくPC8801mk2SR用の曲をMZ2500用にコンバートして聴いていました。
 この時期に忘れてはならないのはやはり日本ファルコムのロマンシアやYsでしょう。ロマンシアに関しては、店頭デモの曲を店先で延々聴き続けた記憶があります。Ysもすごかったですね。とにかくあの当時の他のゲームの曲を完全に超越していました。その後、ロマンシア/YsがYK-2氏のものだと知り、ある意味納得しましたね。このころは、音楽の成績がかなり悪かったなぁ〜

 高校に入るとMZ2500からSHARP X68000へと正当進化(笑い)。ベーマガの曲を打ち込む日々。しかし、音楽に関してはほとんど無知な自分。ある日三連符の扱いで悩んでいたときに、ひらめきました。「あ、4/4小節って、1小節に四部音符が4つはいるのか・・・」。こんなのは、すでに小中学校で習ったはずのものですが、ばかあんどはこのとき初めて気づきました。よくよく考えてみると、確かに昔このようなテストを授業でした気が。「それに、四部音符と四部音符をくっつけると2部音符になるのね。奥が深い」。このあとですね、楽譜が読めるようになったのは。楽譜が読めればこちらのもの。いままでは、ベーマガのリストだけが頼りだったのですが、これからは、CDに付いている楽譜を打ち込めばいいんじゃないの〜。。この後、寝てもさめても、曲をひたすら打ち込むという日々が続きました。

 高校も卒業のころ、部活の先輩(師匠) から「おまえも、パソコン通信やれや」と、説得を受ける。そして入ったのが一部で有名なPEKIN-NET。このNETのすごいところは、X68000のエキスパートが集まっていたこと。そして、その会員にあのYuYou(永田英哉)氏や、SystemSACOMの るい(斎藤学)氏が居たこと。ちょうどこのころあんどは X68000 の内蔵 FM音源から、MIDI(Roland CM64) に音源が LevelUp したころでした。
 この時期、永田氏から「新しい音源ドライバを作るんだけど、テストしてもらえないか?」という、うれしいお誘いを受ける。あの、YuYouさんから直接メールがくる・・・。あのときの感動は今も忘れられないなぁ。それが、その後ベーマガでも発表されるNAGDRVという、FM音源+MIDI用サウンドドライバである。FM音源に関しては永田氏、MIDIに関しては斎藤氏の助言をいろいろと得ながら、日々精進し曲の打ち込みに励む。斎藤学氏はSystemSACOMで、ユーフォリーや38万キロの虚空、ソフトでハードな物語、闇の血族etc.etc.に関わった音楽屋さん。残念なことにこの数年後、ご病気で他界されました。斎藤さんとは直接お会いしたのは三回くらいしかなかったのですが、のちのあんどに多大な影響を与えた人間のお一人です。

 NAGDRVも完成したすこし後、「今度ベーマガにも発表するんだけど、協力してくれない?」、永田氏から連絡があった。この時点で実はあんどは永田氏に会ったことはなく、すべてPEKIN-NETでのメールのやり取りだけだった。「よろこんで」 「じゃこんどの○○日に、山手線、五反田駅で」。
 そうして、はじめて憧れの永田氏に会った日、あんどはそのまま五反田は電波新聞社へと連れ込まれたのでありました。小学校時代、友人とベーマガを見ながら将来は電波新聞社で働きたいよな」といってた夢(なのか?)が、現実と化してしまう。おそろしや。
 ちなみにこのとき影さんに会いました(ん?)。その後、永田氏の勤める会社に泊り込んだりしながら、サンプル曲をつくったり、マニュアルのお手伝いをすることになった。この当時、某情報処理系の専門学校生でした。

 ほぼ同時期高校時代の先輩(師匠) からも「いまX68kのゲーム作っているんだけど、音楽作ってくれない?」と、命令が下る。「でも、あたしゃ音楽理論も知らないですし、作ったことないですよ」と、答えると、「大丈夫、大丈夫、冬コミで売る同人ソフトだから、どんなんでもOK!それっぽいのよろしく。んじゃ。」。その言葉を信じ、今までの知識から、無理やり曲を作る。もちろんコード進行など知らない。音が外れていても、よくわからない。でも、同人だからいいかと思っていたのも つかの間、先輩から「あ〜、あれ売るわ」。「へ?」。「んだから、市販するの」。「うぞ」。
 それからが大変でした。FM音源,MT32, CM64, CM64+GuitarCard, CM64+DrumsCard, PSG Modokiと、多種にわたる音源用のデータの作成。
 このゲームが後にゲーム自動販売機「ブラザータケル」でX68k用ソフトとして販売される「超人」の音楽作曲にまつわる裏話である。ゲーム業界って、いいかげんなのね?と、 「超人」の曲が終わったころ、のほほんとしていると、また先輩から連絡あり。その後「SuperStarShooter」なる同人用のシューティングゲームの曲も作らせられる。このころは、プログラマの仕事というよりも、ほとんど音楽屋さんでした。

 PenguinLand-NETというパソ通のOFF会では、「あんどくん、あんどくん、メガドラのゲームなんだけどさぁ〜、曲のコンバートやってもらえないかな?」、Y田@調布氏から声をかけられる。このころ、パソ通でいろいろと曲データをUpLoadしていたので、目をつけられていたらしい(笑い)。そのまま、浅草橋の某ゲームメーカに軟禁される(うそ)。ここでは、作曲家が作った曲を、メガドライブ用のデータに落とす仕事をしました。しかし、作曲家というのが、ゲームの曲は作ったことがない人。もう、無茶な曲ばかり。どう考えてもFM音源に落とせないような無茶な曲が多数来る。
 たとえば、ディストーションギターのハーモニクス音でメロディを奏でろったって無理にきまっとるがな。ピアノのコードだけで4音も使かわんといて〜とか、もっと厚みのあるストリングスを出してほしいとか言われたって4オペレータのFM音源じゃ厚い音なんか無理なんだよ〜、厚い音を出したければ、同時発音数を少なくして〜、とか。 あぁ、Ysはすばらしかったなぁ(と、遠くを見る)。これが、メガドライブ用R.P.G.「サージングオーラ」の音楽作成裏話である(このとき使ったメガドラ用のサウンドドライバー(セガ純正)というのがタコタコで、死ぬほど苦労しました。今思うとメガドラのゲームの音楽って、のっぺりした音色が多いのは、この性だったんだろうなぁ)。
 このサージングオーラのときには音楽コンバートのみならず、プログラムの仕事もする。そう、こうして知らない間にどっぷりとゲーム業界に浸かることになったのである。逆に本業(プログラム)が忙しくなり、音楽からは離れて行く状態が続きました。

 ”あんど”と”音楽”と書いた割には、他だ単にあんどの職歴紹介になっていますね。次回では、もうちょっと突っ込んだ話や、「こんにちわマイコン」のことも書きたいですね。それでは、次回をお待ちくださいです。

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