レンズについて
一眼レフの場合、レンズを変える事で、表現の幅がかなり広がります。例えば、アンプのつまみや、プレートやパネルに焦点を当てて浮き上がらせようとすると、背景とか、回りの部品とか煩いですよね。あと、動作中のアンプの点灯している真空管をか撮ろうって場合(私は、これが結構多いんですが)。
そういう時は、中望遠の単焦点で絞りを開けて撮ると、焦点が浅くなって、対象物以外が画面から消えてくれます。そこから、だんだん絞りを調整して、回りのトランスやらツマミやら、背景やらの存在が、バランスよく調和するように撮るとよいでしょう。
この時、ズームだと、レンズ自体が暗いため合焦が甘くなるだけじゃなく、きれいなボケが出せないので、どちらかというと単焦点の方が良いでしょう。
単焦点で構図を取るのは結構大変ですが、近寄ったり遠ざかったりして、いろいろな構図を撮ってみましょう。画面を思いきって、スパッと切ってしまうほうが面白い絵になると思います。
クローズアップでも、立体感を強調しようという場合は、質感を高めるために、斜めから光をあてて、絞りを絞って、全面ピントのかたまりみたいにしてみるとよいかと思います。ただし、遠景までいれてしまう事になりますから、背景に気をつけないと、煩い写真になります。
アンプの全景を撮ろうというような場合、絞りはそれなりにしぼってしまうので、ズームを使ってもそれほど問題は無い場合が多く、画面構図の楽な標準ズーム系がよろしいかと思います。
背景の入れ具合とか、パース考えて、望遠ズームなんてのも面白いですね。あと、全景を奇麗にとろうとしすぎて、日の丸構図(対象物が、ど真ん中に鎮座ましましてるって感じの写真)や、しぼりこみすぎて、どこまでも合焦してしまって、まわりが煩くなってしまう場合があります。少し、芸術的な写真を気取ってみるのも良いかと思います。
どうしても、隅から隅まで合焦させたいという向きのお方は、背景を工夫して、物や陰の写り込みが発生しないように、光をあてるとよろしいでしょう。
パネルやシャーシーへの、つまみ、真空管、トランス等の写り込みを美しく撮るには光のあてかたや、強さを工夫する必要があり、部屋の蛍光灯1灯では無理なのですが、そのへんは言葉ではうまく伝えられないし、人それぞれの趣味が顕著に現れる所ですので、『みなさん、いろいろ試してみて下さい』としか言えません。
ファインダーを覗きながら、仕上がりを予想しながら、いろいろ試してみて下さい。一眼レフでも、この辺の試行錯誤は結構難しいものがあるのですが、そうでないと、焼き上がるまで結果は分からないと言えるものですから、さらに難しいですね。自由度が低くて、カメラまかせ、運まかせの部分が多いですから。
CONTAXG1のように、AFコンパクトでもレンズ交換できるカメラもありますが、基本的にAFコンパクトはレンズ交換できません。ですから、AFコンパクトっていうと、シャッター押すだけと考えられがちですが、AFコンパクトでも、絞り優先AE付きの機種が多くなってきましたから、工夫次第では、高いレンズ付けた一眼レフより面白い写真が撮れるかもしれません。 まあ、このへんは、好みの問題でもありますね。プログラムAEばかり使わずに、絞りリングを回すとレンズを換えるのと同じくらいに写真の表情を変えることができるでしょう。
AFコンパクトでも、ズームもありますから、構図を工夫するとか、背景のぼけを調節する(望遠側にすると、浅くなる)なんて技もつかえますよ。
焦点距離は、ものの遠近感だけじゃなくて、いろいろな効果を生むから楽しいです。